the INTERVIEW


今大会のキャッチコピーは「最も輝くのは、人気者か、強者か」である。今回の出場選手のなかで両方に当てはまる選手が1人だけいる。ファン投票1位の“人気者”で、2年連続で最高勝率を残した“強者”の峰竜太だ。加えて相性の良い福岡が舞台なら、勝てない理由はどこにもない。
さあ、悲願のSG初優勝へ機は熟した。今まで支えてくれたファン、関係者の想い、そして未来のボートレーサーたちのため、最強の走りを見せてやれ!
(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』武内達也)

みね りゅうた
1985年(昭和60年)3月30日生まれ。佐賀支部・95期。2004年11月、唐津でデビュー。05年11月、唐津・タイトルで初優勝、09年1月、芦屋・九州地区選手権でGI初優勝。SGは07年5月の住之江・オールスターで初出場。11年5月の尼崎・オールスターで初優出。15年は最高勝率(8.59)と最多勝利(136回)選手に、16年は勝率8.07で2年連続最高勝率選手に輝いた。
出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
---|---|---|---|---|---|
全種別 | 3031回 | 139回 | 43回 | 52.4% | 69.4% |
S G | 324回 | 10回 | 0回 | 42.6% | 60.8% |
G I | 899回 | 19回 | 4回 | 40.9% | 59.3% |
全国成績(最近3節) | ||||
---|---|---|---|---|
17年 | 4月 | 大 村 | GI・DC | 2 4 3 2 1 4 2 3 |
17年 | 3月 | 江戸川 | GI・DC | 3 4 1 3 3 3 3 2 |
17年 | 3月 | 児 島 | SG・クラシック | 4 4 4 1 3 5 6 2 4 |
福岡成績(最近2節) | |||
---|---|---|---|
17年 | 2月 | GI・地区選 | 4 1 1 3 3 2 2 5 |
16年 | 11月 | 一般競走 | 1 1 3 4 2 1 1 1 1 2 |
2017年4月9日現在
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夢のファン投票1位になる。
― ファン投票1位、おめでとうございます。
ありがとうございます。デビューした頃から、グランプリに出ることやSGで優勝することより、ファン投票1位でオールスター出場が夢でした。こんなに早く達成できると思っていなかったので、感無量ですね。ファンの方から認めてもらった証だと思っています。
2年連続で最高勝率選手に。
― 2年連続で最高勝率選手になりました。
素直に嬉しいです。言い方を換えれば、自分が一番上手いってことですよね。1600名近いボートレーサーのなかで、一番良い着順を獲っているわけですから。
プロペラ調整もターンの仕方も、大きくは変わっていないと思います。変わったのはメンタル面です。昔は追われているというか、プレッシャーを掛けられて走っていたけど、今は自分が対戦相手のプレッシャーとなっている。そんなポジティブな気持ちでレースに臨めるようになったことが大きな変化です。
今までは「トップレーサーになれたら良いなあ・・・」くらいの感覚でしたが、今は「自分はトップレーサーなんだ!」って、自信を持って言えます。
根っこの部分から強くなる。
― 強さの秘訣やこだわりはありますか。
多少のこだわりや違いはあると思います。以前はプロペラのことばかり考えていたし、ターンも他人とは違う。モンキーの姿勢もちょっと変わっていますからね。
でもプロペラやターンを突き詰めた結果、大事なのはそこではないと気付きました。木に例えるなら、プロペラは葉っぱの部分、ちょっとしたテクニックの一つです。スタートも、ターンも葉っぱの部分に過ぎません。本当に大事なのは、根っこや幹の部分です。
ここ数年、その根幹部分が定まってきたと思います。今まで培ってきた経験、自分のしてきたことの価値を理解しながらやれている。「自分は強い」という自信とともに、幹が太くなっていくのを実感しながら走っています。
レースの駆け引きを楽しむ。
― 自信が強さになったということですか。
今はレースの駆け引きが楽しいですね。1マークまでに行きたいところに行く方法とか、他の選手の攻めをいかに上手く引き出して自分が勝つにはどうすれば良いか、とか。最近は道中でもプレッシャーを掛けて、相手のミスを誘ったりもします。相手がミスをすると「自分がいるからミスったんだな」って思えるんですよ。本当にレースを楽しんでいます。
自分がレースの主導権を握るようになると、レース運びも積極的になってきます。先行艇を抜こうとするターンと、抜かれないようにするターンでは、レベルが全く違うんです。抜かれないターンとは、負けないためのターンです。相手の動きを見てから自分の動きを決めるので、レースそのものが縮こまってしまいます。
逆に、抜こうとするターンはつねに先を考える攻めのターンです。「次は握ってやろう」「次はちょっと揺さぶってみるか」とか、周回を重ねるたびに可能性が広がっていく。その気持ちがあるだけでレースっぷりも良くなるし、ターンも上手くなります。ただし、体調や機力、得点率など自身に余裕がないとできません。ここが一番難しいところでもあるんですけどね・・・。
若者の憧れと目標の存在に。
― 今、峰選手の目標はなんでしょう。
「峰竜太のレースを見て、ボートレーサーになりたいと思った」と言ってもらえるような選手になりたいです。僕はおっちょこちょいだし、ちょっと天然だし(笑)、周りの先輩からも「レーサー以外はできないな」って言われているし、ボートレーサーは天職です。僕と同じような若い子たちが、ボートレーサーを目指すキッカケとなる存在になりたいですね。
最近嬉しいことがあったんですよ!
118期に宮之原輝紀って子がいるんですけど、「峰選手に憧れて選手になりました」って挨拶にきてくれて・・・。以前平和島を走ったときに、僕の出待ちをしていてくれた子だったんです。そのときに、これが自分の役割なんだって、ボートレーサーになって本当に良かったと思いました。
現役の若手に対しては、弟子の山田康二や上野真之介にもっと強くなって欲しいです。記念が壁になっているのは、本人の気持ちの部分でしょう。師匠の責任もあると思うけど・・・。殻を破るチャンスはあると思うので、早く飛躍のキッカケをつかんで欲しい。一緒にSGを走りたいですね。
SG初優勝で恩返しを誓う。
― 今さらですが、悲願のSG初優勝へ・・・。
周りの期待も大きいので、優勝を意識せざるを得ませんね(苦笑)。SGでは悔しいことが多いから、一時は「自分は“SG優勝の星”から見放されているんじゃないだろうか・・・」って思ったくらいです。
今は、自分のために優勝するというよりも、周りの方のためにSGを勝ちたいという気持ちなんです。なかでも、デビュー当時からずっと応援してくれている『BOATBoy』編集長の黒須田守さんに「SGを獲りましたよ。やっぱり獲れたでしょ!」って言いたい。悔しいときに一緒に泣いてくれたから、今度は一緒に嬉し涙を流したい。それが黒須田さんへの恩返しだと思います。
今回のオールスターは機が熟したというか、舞台が整い過ぎているというか、自分自身も選手になって一番充実しているし、今までで一番良い状態で臨めると思います。
応援してくださった方々、何年もお待たせしてすいません。“峰竜太”っていう選手はここがストップじゃありません。まだまだ強くなります。だから、優勝します。