マスターズの舞台 津のマスターズ


フルフェイスヘルメットになったとき、
ボートレース津名誉執行委員長・鳥羽一郎さんから
森竜也と後藤道也、今村豊の3人に
贈られた「漆塗りのヘルメット」
ボートレース発祥の地は大村、公認第1号は津である。このことはボートレースファンなら周知の事実だ。マスターズの舞台として、これほどふさわしいレース場もないだろう。
歴史のあるレース場なだけに、三重支部には「競艇の神様」倉田栄一をはじめ、多くのマスターズ(名人)がいた。そして今回、2人のマスター候補が「GIマスターズチャンピオン」で名人の仲間入りを目指す。
三重支部を引っ張った「神様」

第1回倉田栄一杯覇者は関忠志
三重と聞いて真っ先に名前が挙がるのは、グランドスラマーの倉田栄一さんだ。1989年9月には津で史上初の通算3,000勝を達成している。
「スポーツ界に3名の神様がいる。野球の神様は川上哲二、相撲の神様は双葉山、そして競艇の神様は倉田栄一」と言われた。波の中でプロペラが空回りしないようにとカップペラを考えた、先駆の人である。夢の中でもモーター整備をしていた。夢で見たことを忘れないよう、いつも赤鉛筆を握って寝ていたという。
瀬古、村田、淺香の3強時代

津では敵なし!「伊勢湾の3強」と言われた瀬古、村田、淺香
「無冠の帝王」前川守さんは、イン一筋の職人さん。尼崎のダービーで5艇フライングがあったとき、唯一正常なスタートをした人だ。古川美千代さんは女子選手の鑑のような人で、女子戦の隆盛を支えてきた。倉田さん以来のSG覇者は56年、桐生ダービーを制した嶋岡孝さん。津高校出身の理論派で、30歳で支部長を務めた人望の厚い人だった。
電撃スタートの瀬古修さんもダービー覇者だ。「伊勢湾の鉄人」とは瀬古さんのライバルだった村田瑞穂さん(現JLC解説者)についたニックネーム。勝負強さと粘り強さを兼備した淺香登さんは「マムシ」と呼ばれた。
瀬古、村田、淺香の3名が揃っていれば、遠征勢に出番を与えなかった。3人とも津周年、そして東海地区選で優勝している。
歴史を引き継いだ「森ドラゴン」
勝負に対する飽くなき探究心、その精神は今も三重支部全体に流れている。
「伊勢湾の3強」が一線級から退き、支部の主力となったのが今回のマスターズに出場する森竜也と垣内清美である。「森ドラゴン」「カッキー」のニックネームで地元ファンに親しまれてきた。その後、森のプロペラグループにいた森岡正博が井口佳典を育て、井口は三重支部初のグランプリ覇者になった。その井口は新田雄史を育て、新田は福岡オールスターでSG覇者となった。
一方、森と同世代の後藤道也はアウト戦を極め、その伝統は澤大介が守り続けている。


3268 森 竜也(三重)

第15、16回大会に続き今回が3回目の出場だ。攻撃的な走りのスタイルは、マスターズ世代と呼ばれるようになっても変わっていない。16年は7回の優出があり、今年に入ってからも1月当地の「匠シリーズ第9戦倉田栄一伝説」で準優勝と好調だ。匠シリーズは第8戦でも優出しており、今回のマスターズも活躍が期待できる。

3280 垣内 清美(三重)

昨年の第17回大会で初めてマスターズを走った。上位進出こそできなかったが、大嶋一也、新良一規のSG覇者を相手に3着に食い込むなど、しぶといレースを見せていた。レディースチャンピオンに第18回大会から連続出場中と安定した強さを保っている。今回は津の推薦を受けての出場だ。何としても期待に応えたい。
プレミアムGI MASTERS CHAMPIONSHIP 歴代優勝者
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第1回 | 2000年 | 住之江 | 高山 秀則 |
第2回 | 2001年 | 住之江 | 野中 和夫 |
第3回 | 2002年 | 住之江 | 高山 秀則 |
第4回 | 2003年 | 尼 崎 | 新井 敏司 |
第5回 | 2004年 | 住之江 | 大森 健二 |
第6回 | 2005年 | 戸 田 | 水野 要 |
第7回 | 2006年 | 尼 崎 | 万谷 章 |
第8回 | 2007年 | 大 村 | 大嶋 一也 |
第9回 | 2008年 | 宮 島 | 田中 伸二 |
第10回 | 2009年 | 鳴 門 | 山崎 毅 |
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第11回 | 2010年 | 徳 山 | 西島 義則 |
第12回 | 2011年 | 常 滑 | 今村 豊 |
第13回 | 2012年 | 下 関 | 井川 正人 |
第14回 | 2013年 | びわこ | 江口 晃生 |
第15回 | 2014年 | 唐 津 | 金子 良昭 |
第16回 | 2015年 | 児 島 | 今村 豊 |
第17回 | 2016年 | びわこ | 田頭 実 |
第18回大会 津 優勝戦2017年4月16日(日)・第12レース |
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