直前インタビュー


常滑市制60周年を迎える今年、池田浩二は、俳優の渡辺哲さん、フェルトアート作家の中山みどりさんと共に「常滑市制60周年PR大使」に選ばれた。ボートレース界のスーパースターは、地元の常滑市が誇るスーパースターでもあるのだ。
その池田は前期、スタート事故で長期欠場を余儀なくされ、出走回数の確保に苦しんだ。そんな状況でも、池田は3月の尼崎クラシック(総理大臣杯)で優出と強靱な精神力を見せつけた。今期は浜名湖グラチャンでフライングをしたが、丸亀オーシャンカップ、若松メモリアル(MB記念)でSG連続優出と、相変わらずの強さを見せつけている。
ところで、これまで9つのSGタイトルを獲得している池田だが、純地元・とこなめのSGでの優勝がない。「常滑市制60周年PR大使」として常滑市のPRのため、そしてなによりもレーサー・池田浩二を応援してくれるファンのために、今回の地元ボートレースダービー(全日本選手権)は確勝を期して参戦する。
(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』井上泰宏)
--最近の調子はどう感じておられますか?
池田 調子がどうのこうのというより、今のプロペラ制度では引いたモーター次第ですね。勝率があるモーターを引ければそこそこ動きますし、ダメならダメです。整備があまり得意じゃないということもあって(苦笑)、大きく変わることはありません。全国的にそうなんですけど、モーターのパワー差が大きいですね。
--プロペラの方はどうですか?
池田 プロペラも"これが自分の形"というものは持っていません。回転を合わせて行くくらいです。よっぽどダメなときには叩きますけど、大きく叩くことはあまりないです。
重視している足とかもないんですけど、出足型にすることは少ないですね。今は少しでも伸びが欲しいです。直線でアドバンテージを持って、ターンで勝負できるように、ですね。
--池田選手はピットでいつもリラックスしているように見えます。
池田 SGに行きはじめたころは気合パンパンって感じでしたけど、最近はそんなではないですね。気合を入れて行って優勝できるなら入れますけど、そううまく行くことでもないですしね(笑)。
僕の勝ちパターンは、予選を得点率上位で通過して、準優、優勝戦に1号艇で乗って、優勝するという感じですね。1号艇以外だと、勝負というよりは展開待ちになってしまうことが多いですし、ボートレースはそういう競技だと思っています。そんなこともあって、外枠で優勝戦に乗ったとき、僕は優勝を意識しません。もちろん全力でレースに臨みますよ。勝負を捨てているわけではありませんから(笑)。
--今回のダービーは地元とこなめの開催ですが、常滑市制60周年の今年、池田選手はPR大使をされていますね。
池田 常滑市出身ということで選んでいただきました。まだそんなに活動はしていませんが、8月23日にとこなめボートレース場で行われた「常滑焼まつり」にPR大使として参加しました。トコタンと一緒に会場内をブラブラして、来場してくださった方たちと談笑したくらいですけどね(笑)。せっかく選んでいただいたので、これからもしっかりPRして行けたら良いな、と思っています。
--ダービーを前に、とこなめの名鉄杯争奪2014納涼お盆レースで優勝されました。
池田 結果的に優勝はできましたけど、あまり良いモーターじゃなかったこともあって、自信がありませんでした。優勝戦でもプロペラ調整を失敗してしまって、1マークのターンでミスしてしまいました。2マークで2号艇(平本真之)と4号艇(西山昇一)の競り合いがあったので、そこを握って行ったのがうまくハマりましたね。
PR大使のこともあるので、お盆戦は優勝できて本当に良かったです。地元戦で優勝していないと箔がつかないですからね。しかも1号艇だったでしょ?負けていたら、いろいろなところから文句が出てくるところでした(笑)。
--地元・とこなめで行われるダービーです。意気込みをお願いします。
池田 僕は今回のダービーに限らず、レースでは地元の選手が活躍することが大事だと考えています。ファンの方々、施行者の方々からの期待を感じますし、その期待に応えて地元の選手が頑張ればシリーズが盛り上がります。
今回のダービーは、簡単なことではないですけど、優勝できれば一番良いと思います。いつも以上に期待されていることを感じています。期待されるのはありがたいことです。
僕はとこなめのSGで優勝したことがありません。次はいつ、とこなめでSGが開催されるか分からないので、このチャンスに獲りたい気持ちはあります。1回優勝すれば、応援してくださるファンの方たちにも納得してもらえるかなと思いますし、PRにも繋がると思います。
今年は本当に流れに乗れていないですけど、そう言っていてもダービーは始まっちゃうんですね(苦笑)。まずは予選を突破して、準優勝戦を盛り上げて、優勝戦に進みたいです。チャンスがあれば獲りたい。チャンスを逃がさないように頑張ります。
(2014年8月31日現在)
◆通算成績 | |||||
---|---|---|---|---|---|
出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
通算 | 3812回 | 186回 | 51回 | 53.1% | 69.7% |
SG | 685回 | 23回 | 9回 | 44.2% | 60.4% |
GI | 1439回 | 51回 | 7回 | 43.0% | 63.2% |
◆とこなめ成績(最近2節) | |||
---|---|---|---|
14年 | 8月 | タイトル | 1 1 3 1 3 2 3 1 3 1 1 |
14年 | 3月 | GI・周年 | 4 4 6 4 3 3 1 2 2 |
◆全国成績(最近3節) | ||||
---|---|---|---|---|
14年 | 8月 | 若松 | SG・メモリアル | 3 4 4 2 2 1 2 4 |
14年 | 8月 | とこなめ | タイトル | 1 1 3 1 3 2 3 1 3 1 1 |
14年 | 7月 | 福岡 | 一般競走 | 2 1 1 2 4 1 1 1 4 4 2 |

今年8月14日、とこなめボートレース場1階第2投票所東側にオープンした「池田浩二メモリアルコーナー」

SG BOAT RACE DERBY(全日本選手権) 歴代優勝者
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第1回 | 1953年 | 若松 | 友永 慶近 |
第2回 | 1954年 | 徳山 | 松尾 勝 |
第3回 | 1955年 | 福岡 | 村田 吉広 |
第4回 | 1956年 | 浜名湖 | 中西 勉 |
第5回 | 1958年 | 江戸川 | 三津川 要 |
第6回 | 1959年 | 福岡 | 深川 功 |
第7回 | 1960年 | 若松 | 草川 祐馬 |
第8回 | 1961年 | 住之江 | 倉田 栄一 |
第9回 | 1962年 | 平和島 | 長谷部義一 |
第10回 | 1963年 | 住之江 | 歌谷 博 |
第11回 | 1964年 | 平和島 | 北原 友次 |
第12回 | 1965年 | 住之江 | 長瀬 忠義 |
第13回 | 1966年 | 住之江 | 芹田 信吉 |
第14回 | 1967年 | 尼崎 | 不成立 |
第15回 | 1969年 | 平和島 | 金子 安雄 |
第16回 | 1969年 | 住之江 | 早川 行男 |
第17回 | 1970年 | 住之江 | 中野 信次 |
第18回 | 1971年 | 住之江 | 鈴木 一義 |
第19回 | 1972年 | 住之江 | 金子 安雄 |
第20回 | 1973年 | 住之江 | 北原 友次 |
第21回 | 1974年 | 住之江 | 野中 和夫 |
第22回 | 1975年 | 住之江 | 林 通 |
第23回 | 1976年 | 蒲郡 | 野中 和夫 |
第24回 | 1977年 | 福岡 | 松本 進 |
第25回 | 1978年 | 住之江 | 松田 慎司 |
第26回 | 1979年 | 福岡 | 八尋 信夫 |
第27回 | 1980年 | 唐津 | 吉田 重義 |
第28回 | 1981年 | 浜名湖 | 村上 一行 |
第29回 | 1982年 | 桐生 | 安部 邦男 |
第30回 | 1983年 | 平和島 | 林 通 |
第31回 | 1984年 | 住之江 | 半田 幸男 |
第32回 | 1985年 | 福岡 | 彦坂 郁雄 |
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第33回 | 1986年 | 桐生 | 嶋岡 孝 |
第34回 | 1987年 | 平和島 | 今村 豊 |
第35回 | 1988年 | 多摩川 | 今村 豊 |
第36回 | 1989年 | 住之江 | 瀬古 修 |
第37回 | 1990年 | 戸田 | 今村 豊 |
第38回 | 1991年 | 尼崎 | 原田 順一 |
第39回 | 1992年 | 平和島 | 服部 幸男 |
第40回 | 1993年 | 戸田 | 長嶺 豊 |
第41回 | 1994年 | 常滑 | 植木 通彦 |
第42回 | 1995年 | 丸亀 | 安岐 真人 |
第43回 | 1996年 | 福岡 | 上瀧 和則 |
第44回 | 1997年 | 唐津 | 山崎 智也 |
第45回 | 1998年 | 福岡 | 濱野谷 憲吾 |
第46回 | 1999年 | 戸田 | 山室 展弘 |
第47回 | 2000年 | 戸田 | 池上 裕次 |
第48回 | 2001年 | 常滑 | 滝沢 芳行 |
第49回 | 2002年 | 平和島 | 原田 幸哉 |
第50回 | 2003年 | 戸田 | 山崎 智也 |
第51回 | 2004年 | 福岡 | 田頭 実 |
第52回 | 2005年 | 津 | 太田 和美 |
第53回 | 2006年 | 福岡 | 魚谷 智之 |
第54回 | 2007年 | 平和島 | 高橋 勲 |
第55回 | 2008年 | 丸亀 | 丸岡 正典 |
第56回 | 2009年 | 尼崎 | 松井 繁 |
第57回 | 2010年 | 桐生 | 瓜生 正義 |
第58回 | 2011年 | 平和島 | 池田 浩二 |
第59回 | 2012年 | 福岡 | 丸岡 正典 |
第60回 | 2013年 | 平和島 | 瓜生 正義 |
第61回大会 とこなめ 優勝戦2014年10月19日(日)・第12レース |
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--今年はスタート事故で苦労をされていますが・・・。
池田 前期は11月と2月、そして今期は6月にフライングをしてしまいました。元々、そんなにフライングが少ない方でもないんですが、ここまで勘とズレているのは珍しいです。3回とも、全て「入っている」と思って行った結果で、グラチャンのときなんて、「スタート勝負できない」と思っていながらのフライングでしたから・・・。それまでは、全速で突っ込んでも0台で残っていたりしていたんですけどね。
特に6月のグラチャンでフライングをしたこと、あれが一番堪えました。自分にスタート勘がないことを痛感しましたね。好きだったカドからのレースでも、スタートに自信が持てないから、攻めて行けないのが現状です。
スタートに関しては、自信を取り戻すまで時間がかかると思います。今は、スタートに対して全く自信がありません。全速でコンマ15~20が行ければ良いくらいです。どこかで絶対に放ってしまっています。早く気持ちを切り替えたいんですけど、きっかけがないですね(苦笑)。
--F2の状況ながら、3月の尼崎クラシックで優出されています。
池田 特別にすごいことだとは思っていません。フライングをしないように気をつけてはいましたけど、SGでは誰もがスタートを行けないんですよ。
F持ちだからスタートを行かない、持っていないから行くということではなくて、自分の中で「入っている、良いスタートだ」と思えば行くだけ。みんな、そうだと思います。
--前期は出走回数(90走)クリアも大変だったと思いますが・・・。
池田 厳しかったですね。A1級に残るには半年間で90走しなくちゃいけないんですけど、90走目にエンストしてしまいました。自分が狭いところを差しにいかなければ事故をすることもなかったんですけど、レースとなると忘れちゃうんでしょうね。結果的に90走をクリアできたので良かったですが、そこで怪我をしていたらA1級に残れませんでした。
--F休みはどのように過ごされましたか?
池田 休みの間は、トークショーなどのイベントに呼んでいただきました。ほかには特にやることもなかったですね。選手仲間はみんな仕事ですし・・・。帰ってきた選手と食事に行ったりするくらいでした。
そうそう、家族サービスで沖縄に行きました。知り合いは原田幸哉さんくらいしかいないですし、特に思い入れがあるわけではないんですけど、沖縄には毎年行っているんです。