直前インタビュー

SG優勝9回のスーパースターが地元とこなめSG初優勝目指しダービーで勝負!
直前インタビュー 池田浩二

 常滑市制60周年を迎える今年、池田浩二は、俳優の渡辺哲さん、フェルトアート作家の中山みどりさんと共に「常滑市制60周年PR大使」に選ばれた。ボートレース界のスーパースターは、地元の常滑市が誇るスーパースターでもあるのだ。
 その池田は前期、スタート事故で長期欠場を余儀なくされ、出走回数の確保に苦しんだ。そんな状況でも、池田は3月の尼崎クラシック(総理大臣杯)で優出と強靱な精神力を見せつけた。今期は浜名湖グラチャンでフライングをしたが、丸亀オーシャンカップ、若松メモリアル(MB記念)でSG連続優出と、相変わらずの強さを見せつけている。
 ところで、これまで9つのSGタイトルを獲得している池田だが、純地元・とこなめのSGでの優勝がない。「常滑市制60周年PR大使」として常滑市のPRのため、そしてなによりもレーサー・池田浩二を応援してくれるファンのために、今回の地元ボートレースダービー(全日本選手権)は確勝を期して参戦する。

(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』井上泰宏)

Fのハンデを抱えながら成績を残すことの難しさ

--今年はスタート事故で苦労をされていますが・・・。

池田 前期は11月と2月、そして今期は6月にフライングをしてしまいました。元々、そんなにフライングが少ない方でもないんですが、ここまで勘とズレているのは珍しいです。3回とも、全て「入っている」と思って行った結果で、グラチャンのときなんて、「スタート勝負できない」と思っていながらのフライングでしたから・・・。それまでは、全速で突っ込んでも0台で残っていたりしていたんですけどね。
 特に6月のグラチャンでフライングをしたこと、あれが一番堪えました。自分にスタート勘がないことを痛感しましたね。好きだったカドからのレースでも、スタートに自信が持てないから、攻めて行けないのが現状です。
 スタートに関しては、自信を取り戻すまで時間がかかると思います。今は、スタートに対して全く自信がありません。全速でコンマ15~20が行ければ良いくらいです。どこかで絶対に放ってしまっています。早く気持ちを切り替えたいんですけど、きっかけがないですね(苦笑)。

--F2の状況ながら、3月の尼崎クラシックで優出されています。

池田 特別にすごいことだとは思っていません。フライングをしないように気をつけてはいましたけど、SGでは誰もがスタートを行けないんですよ。
 F持ちだからスタートを行かない、持っていないから行くということではなくて、自分の中で「入っている、良いスタートだ」と思えば行くだけ。みんな、そうだと思います。

--前期は出走回数(90走)クリアも大変だったと思いますが・・・。

池田 厳しかったですね。A1級に残るには半年間で90走しなくちゃいけないんですけど、90走目にエンストしてしまいました。自分が狭いところを差しにいかなければ事故をすることもなかったんですけど、レースとなると忘れちゃうんでしょうね。結果的に90走をクリアできたので良かったですが、そこで怪我をしていたらA1級に残れませんでした。

--F休みはどのように過ごされましたか?

池田 休みの間は、トークショーなどのイベントに呼んでいただきました。ほかには特にやることもなかったですね。選手仲間はみんな仕事ですし・・・。帰ってきた選手と食事に行ったりするくらいでした。
 そうそう、家族サービスで沖縄に行きました。知り合いは原田幸哉さんくらいしかいないですし、特に思い入れがあるわけではないんですけど、沖縄には毎年行っているんです。

ターン勝負できるように伸びを重視した調整

--最近の調子はどう感じておられますか?

池田 調子がどうのこうのというより、今のプロペラ制度では引いたモーター次第ですね。勝率があるモーターを引ければそこそこ動きますし、ダメならダメです。整備があまり得意じゃないということもあって(苦笑)、大きく変わることはありません。全国的にそうなんですけど、モーターのパワー差が大きいですね。

--プロペラの方はどうですか?

池田 プロペラも"これが自分の形"というものは持っていません。回転を合わせて行くくらいです。よっぽどダメなときには叩きますけど、大きく叩くことはあまりないです。
 重視している足とかもないんですけど、出足型にすることは少ないですね。今は少しでも伸びが欲しいです。直線でアドバンテージを持って、ターンで勝負できるように、ですね。

--池田選手はピットでいつもリラックスしているように見えます。

池田 SGに行きはじめたころは気合パンパンって感じでしたけど、最近はそんなではないですね。気合を入れて行って優勝できるなら入れますけど、そううまく行くことでもないですしね(笑)。
 僕の勝ちパターンは、予選を得点率上位で通過して、準優、優勝戦に1号艇で乗って、優勝するという感じですね。1号艇以外だと、勝負というよりは展開待ちになってしまうことが多いですし、ボートレースはそういう競技だと思っています。そんなこともあって、外枠で優勝戦に乗ったとき、僕は優勝を意識しません。もちろん全力でレースに臨みますよ。勝負を捨てているわけではありませんから(笑)。

ファンの期待、地元の期待に応える一番良い形=優勝

--今回のダービーは地元とこなめの開催ですが、常滑市制60周年の今年、池田選手はPR大使をされていますね。

池田 常滑市出身ということで選んでいただきました。まだそんなに活動はしていませんが、8月23日にとこなめボートレース場で行われた「常滑焼まつり」にPR大使として参加しました。トコタンと一緒に会場内をブラブラして、来場してくださった方たちと談笑したくらいですけどね(笑)。せっかく選んでいただいたので、これからもしっかりPRして行けたら良いな、と思っています。

--ダービーを前に、とこなめの名鉄杯争奪2014納涼お盆レースで優勝されました。

池田 結果的に優勝はできましたけど、あまり良いモーターじゃなかったこともあって、自信がありませんでした。優勝戦でもプロペラ調整を失敗してしまって、1マークのターンでミスしてしまいました。2マークで2号艇(平本真之)と4号艇(西山昇一)の競り合いがあったので、そこを握って行ったのがうまくハマりましたね。
 PR大使のこともあるので、お盆戦は優勝できて本当に良かったです。地元戦で優勝していないと箔がつかないですからね。しかも1号艇だったでしょ?負けていたら、いろいろなところから文句が出てくるところでした(笑)。

--地元・とこなめで行われるダービーです。意気込みをお願いします。

池田 僕は今回のダービーに限らず、レースでは地元の選手が活躍することが大事だと考えています。ファンの方々、施行者の方々からの期待を感じますし、その期待に応えて地元の選手が頑張ればシリーズが盛り上がります。
 今回のダービーは、簡単なことではないですけど、優勝できれば一番良いと思います。いつも以上に期待されていることを感じています。期待されるのはありがたいことです。
 僕はとこなめのSGで優勝したことがありません。次はいつ、とこなめでSGが開催されるか分からないので、このチャンスに獲りたい気持ちはあります。1回優勝すれば、応援してくださるファンの方たちにも納得してもらえるかなと思いますし、PRにも繋がると思います。
 今年は本当に流れに乗れていないですけど、そう言っていてもダービーは始まっちゃうんですね(苦笑)。まずは予選を突破して、準優勝戦を盛り上げて、優勝戦に進みたいです。チャンスがあれば獲りたい。チャンスを逃がさないように頑張ります。

池田 浩二 選手 データ室
(2014年8月31日現在)

◆通算成績

出走回数 優出 優勝 2連率 3連率
通算 3812回 186回 51回 53.1% 69.7%
SG 685回 23回 9回 44.2% 60.4%
GI 1439回 51回 7回 43.0% 63.2%
◆とこなめ成績(最近2節)
14年 8月 タイトル 1 1 3 1 3 2 3 1 3 1 1
14年 3月 GI・周年 4 4 6 4 3 3 1 2 2
◆全国成績(最近3節)
14年 8月 若松 SG・メモリアル 3 4 4 2 2 1 2 4
14年 8月 とこなめ タイトル 1 1 3 1 3 2 3 1 3 1 1
14年 7月 福岡 一般競走 2 1 1 2 4 1 1 1 4 4 2

今年8月14日、とこなめボートレース場1階第2投票所東側にオープンした「池田浩二メモリアルコーナー」

SG BOAT RACE DERBY(全日本選手権) 歴代優勝者
開催年 開催場 優勝者
第1回 1953年 若松 友永 慶近
第2回 1954年 徳山 松尾 勝
第3回 1955年 福岡 村田 吉広
第4回 1956年 浜名湖 中西 勉
第5回 1958年 江戸川 三津川 要
第6回 1959年 福岡 深川 功
第7回 1960年 若松 草川 祐馬
第8回 1961年 住之江 倉田 栄一
第9回 1962年 平和島 長谷部義一
第10回 1963年 住之江 歌谷 博
第11回 1964年 平和島 北原 友次
第12回 1965年 住之江 長瀬 忠義
第13回 1966年 住之江 芹田 信吉
第14回 1967年 尼崎 不成立
第15回 1969年 平和島 金子 安雄
第16回 1969年 住之江 早川 行男
第17回 1970年 住之江 中野 信次
第18回 1971年 住之江 鈴木 一義
第19回 1972年 住之江 金子 安雄
第20回 1973年 住之江 北原 友次
第21回 1974年 住之江 野中 和夫
第22回 1975年 住之江 林 通
第23回 1976年 蒲郡 野中 和夫
第24回 1977年 福岡 松本 進
第25回 1978年 住之江 松田 慎司
第26回 1979年 福岡 八尋 信夫
第27回 1980年 唐津 吉田 重義
第28回 1981年 浜名湖 村上 一行
第29回 1982年 桐生 安部 邦男
第30回 1983年 平和島 林 通
第31回 1984年 住之江 半田 幸男
第32回 1985年 福岡 彦坂 郁雄
開催年 開催場 優勝者
第33回 1986年 桐生 嶋岡 孝
第34回 1987年 平和島 今村 豊
第35回 1988年 多摩川 今村 豊
第36回 1989年 住之江 瀬古 修
第37回 1990年 戸田 今村 豊
第38回 1991年 尼崎 原田 順一
第39回 1992年 平和島 服部 幸男
第40回 1993年 戸田 長嶺 豊
第41回 1994年 常滑 植木 通彦
第42回 1995年 丸亀 安岐 真人
第43回 1996年 福岡 上瀧 和則
第44回 1997年 唐津 山崎 智也
第45回 1998年 福岡 濱野谷 憲吾
第46回 1999年 戸田 山室 展弘
第47回 2000年 戸田 池上 裕次
第48回 2001年 常滑 滝沢 芳行
第49回 2002年 平和島 原田 幸哉
第50回 2003年 戸田 山崎 智也
第51回 2004年 福岡 田頭 実
第52回 2005年 太田 和美
第53回 2006年 福岡 魚谷 智之
第54回 2007年 平和島 高橋 勲
第55回 2008年 丸亀 丸岡 正典
第56回 2009年 尼崎 松井 繁
第57回 2010年 桐生 瓜生 正義
第58回 2011年 平和島 池田 浩二
第59回 2012年 福岡 丸岡 正典
第60回 2013年 平和島 瓜生 正義
第61回大会 とこなめ
優勝戦2014年10月19日(日)・第12レース



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