地元スポーツ紙記者が分析

大村がイン最強水面である理由を知れば、波乱の水面と化すときも見えてくる!?
地元スポーツ紙記者が分析 大村は

大村と言えばキャッチフレーズは「イン最強水面」だ。1コースの1着率は50%を超え、「面白いレースと売れるレースは違う」と、分かりやすさに重点を絞って売り上げを大きく伸ばした。昨年1年間の大村のイン1着率は59%と、2位の徳山の56.7%を大きく引き離して全国トップの1着率を誇っている(全国平均は47.4%)。

ただ、レース場の思惑だけでイン最強水面ができあがるわけではないのは、舟券を買ったことのある人なら分かっているはず。SGを前に、大村がイン最強である理由について改めて考えてみよう。

理由1風向の変化と目標物の少なさ


ダッシュ勢がスリットで先手を取ることは少ない

スタートラインに対して左から吹く横風の日が多い。スタート展示と本番レースで風の向きが頻繁に変わるうえに定時定点の目印となる物が少ないため、ダッシュ勢が思い切ったスタートを決めるのが難しい。ダッシュ勢が攻めてこなければ、当然のことながらインが逃げやすくなる。

理由21号艇にA級や準優組を配置

大村の一般戦では第1~3レースの1号艇にA級選手、後半の第10~12レースの1号艇もインの信頼度が高い選手が組まれることが多い。最終日の敗者戦は、準優進出組が各レースの1号艇に組まれる。強い選手の1号艇なので、イン逃げが決まりやすくなる。

理由3出力低減モーターの導入


差し艇に波を乗り越えるパワーがなければイン逃げが決まる

大村では3月28日からヤマト331型(出力低減)を導入したが、イン1着率は62.3%とモーターが変わっても「イン最強」は変わっていない。

4月の周年に出場した選手によると、「出力低減モーターは波に引っかかって負けてしまいますね。うまいこと行けば抜け出すこともあるけど。パワーがないのだと思いますよ」とのこと。モーターに波を越えるパワーがなければ差されにくくなり、ますますイン逃げが決まる確率は高くなる。

波乱の構図

以上の理由から「大村はイン最強水面である」ことが分かってもらえただろうか。大村で1コースを基本に考えない舟券は無謀だ。

無謀を承知で、敢えて波乱の展開を考えてみる。まずは、前付けにくる選手がいて進入が乱れた場合。進入が深くなれば、インが逃げ切れずに高配当が飛び出すかも。

あとは、水面に白波が立つような強風が吹いているとき。2マーク側に防風ネットが設置されているが、1マーク側は吹き抜けで北風の影響を受けやすく、強風時は向かい風が強くなる。そんなときは1号艇が1マークで飛んでしまい、差しが決まって高配当になる。

インからコツコツ当てる「カメ型」で行くか、一発高配当を狙ってイン外しの「ウサギ型」で攻めるか、舟券の楽しみ方はもちろん自由。どちらにしても「大村はイン最強水面である」という事実は動かない。