the INTERVIEW
「大村のSG開催は今回で4回目、僕がデビューしてからは3回目です。
与えてもらったチャンスを生かして優勝戦進出を"最低"目標に頑張ります!」
ボートレース発祥の地・大村で開催される4回目のSGは、ファン投票で出場選手が決まる「ボートレースオールスター」。地元・長崎支部からは石橋道友、赤坂俊輔、そして下條雄太郎の3名が出場する。なかでも、4月の当地63周年で予選突破を果たした地元の若武者・下條に懸かる期待は大きい。加えて、2012年に篠崎元志、13年に新田雄史、14年には平本真之と、3年連続で同期生がSG初優勝を飾っている。地元の大舞台、次にSGタイトルホルダーとなるのは、この男だ!
(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』井上泰宏)
--新田雄史選手や篠崎元志選手、平本真之選手と96期がブレイクしていますね。
下條 「同期に負けたくない気持ちはありますが、それは誰に対しても同じです。SGを勝った同期とレースをして負けるわけでもないから、『僕にも(SG優勝の)チャンスはあるのかな?』って思ったりします。それぞれのペースに合わせてやって行けば良いと思います。
今の僕は試行錯誤の時期・・・かな? 今まで散々失敗してきて、ようやく自分を客観的に見ることができるようになった気がします。この次の段階になれば、長期的な計画とかも考えるかもしれません。
でも、1回だけ目標を立てたことがあるんですよ。『1年間Fをしない』って。すぐ終わってしまいましたけど(苦笑)」
--地元・大村を走るときは、気持ちが違いますか?
下條 「SGやGI、一般戦でも、地元を走れることは嬉しいですよ。大村を走るときは、地元の気楽さもありますが、気合も入ります。やっぱり地元の選手が活躍した方が盛り上がるでしょ? 4月に開催された63周年が地元の民放で中継されていて、僕が5号艇で2着に入ったドリーム戦が放送されたんです。それを子供の通っている保育園のお母さんや、近所の方が観てくれていて、後で声をかけてもらいました。
ただ、周年や誕生祭は年1回ありますけど、大村でSGが開催されるのは今回が4回目で、僕が10年前にデビューしてからは3回目。そこは違うと思っていますけどね」
--地元・大村のオールスターです。目標はもちろん・・・?
下條 「今回、地元のSGを走る機会を与えていただいたことに感謝しています。最近調子が悪かったのに、たくさん投票していただいて、ファンの方の後押しを感じます。
出力低減モーターに関しては、周年で準優に乗れましたし、問題ないです。オールスターでは温水パイプが外れているので、そこはGW戦で調整をつかみたいですね。前は乗りやすさだけを求めていましたけど、最近はパワーを引き出すことも重要だと感じています。内枠で準優に乗るには、乗りやすくして5、6着を獲らないようにするだけでは無理ですから。
オールスターは周年と同じメンバーが20人もいるし、僕にも活躍するチャンスはあるはずです。与えてもらったチャンスを生かして、63周年で逃した優勝戦進出を"最低"目標に頑張ります!」
(2015年4月23日現在)
◆通算成績 | |||||
---|---|---|---|---|---|
出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
通算 | 1,946回 | 41回 | 8回 | 40.5% | 56.8% |
SG | 16回 | 0回 | 0回 | 37.5% | 50.0% |
GI | 162回 | 0回 | 0回 | 32.1% | 53.1% |
◆全国成績(最近3節) | ||||
---|---|---|---|---|
15年 | 4月 | 蒲郡 | タイトル | 1 2 2 3 1 2 5 3 4 1 |
15年 | 4月 | 大村 | GI・周年 | 2 2 4 1 2 4 3 2 3 |
15年 | 3月 | 芦屋 | 一般競走 | 3 5 1 6 失 2 5 1 3 2 1 |
◆大村成績(最近2節) | |||
---|---|---|---|
15年 | 4月 | GI・周年 | 2 2 4 1 2 4 3 2 3 |
15年 | 1月 | タイトル | 1 3 4 4 4 2 1 2 6 |
SGボートレースオールスター 歴代優勝者
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第1回 | 1974年 | 住之江 | 野中 和夫 |
第2回 | 1975年 | 常 滑 | 北原 友次 |
第3回 | 1976年 | 住之江 | 野中 和夫 |
第4回 | 1977年 | 住之江 | 加藤 峻二 |
第5回 | 1978年 | 住之江 | 彦坂 郁雄 |
第6回 | 1979年 | 住之江 | 中道 善博 |
第7回 | 1980年 | 住之江 | 中道 善博 |
第8回 | 1981年 | 住之江 | 貴田 宏一 |
第9回 | 1982年 | 住之江 | 常松 拓支 |
第10回 | 1983年 | 住之江 | 彦坂 郁雄 |
第11回 | 1984年 | 浜名湖 | 今村 豊 |
第12回 | 1985年 | 住之江 | 井上 利明 |
第13回 | 1986年 | 住之江 | 新田 宣夫 |
第14回 | 1987年 | 尼 崎 | 野中 和夫 |
第15回 | 1988年 | 住之江 | 安岐 真人 |
第16回 | 1989年 | 下 関 | 黒明 良光 |
第17回 | 1990年 | 住之江 | 野中 和夫 |
第18回 | 1991年 | 住之江 | 野中 和夫 |
第19回 | 1992年 | 住之江 | 中道 善博 |
第20回 | 1993年 | 丸 亀 | 野中 和夫 |
第21回 | 1994年 | 戸 田 | 福永 達夫 |
第22回 | 1995年 | 浜名湖 | 服部 幸男 |
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第23回 | 1996年 | 児 島 | 松井 繁 |
第24回 | 1997年 | 常 滑 | 植木 通彦 |
第25回 | 1998年 | 桐 生 | 山崎 智也 |
第26回 | 1999年 | 蒲 郡 | 濱村 芳宏 |
第27回 | 2000年 | 蒲 郡 | 熊谷 直樹 |
第28回 | 2001年 | 浜名湖 | 松井 繁 |
第29回 | 2002年 | 尼 崎 | 西島 義則 |
第30回 | 2003年 | 平和島 | 平石 和男 |
第31回 | 2004年 | 尼 崎 | 上瀧 和則 |
第32回 | 2005年 | 常 滑 | 植木 通彦 |
第33回 | 2006年 | 戸 田 | 山崎 智也 |
第34回 | 2007年 | 住之江 | 瓜生 正義 |
第35回 | 2008年 | 平和島 | 井口 佳典 |
第36回 | 2009年 | 福 岡 | 瓜生 正義 |
第37回 | 2010年 | 浜名湖 | 岡崎 恭裕 |
第38回 | 2011年 | 尼 崎 | 池田 浩二 |
第39回 | 2012年 | 浜名湖 | 井口 佳典 |
第40回 | 2013年 | 福 岡 | 新田 雄史 |
第41回 | 2014年 | 福 岡 | 菊地 孝平 |
第42回大会 大 村 優勝戦 2015年5月31日(日)・第12レース |
--大村と言えば「ボートレース発祥の地」ですが、幼い頃から選手に?
下條 「僕は長崎の壱岐出身で、高校を卒業するまでは壱岐に住んでいました。壱岐って福岡放送が入るんですよ。そこで芦屋のCMや、遠藤久美子さんがターンマークを被っていたCMが流れていたのは覚えていますけど、ボートレースがどういうものかは全く知りませんでした。
それなのに、小学校の文集には『ボートの選手になる』って書いてあるんです。矛盾しているでしょ? おそらく、父親から『儲かるけん、(選手に)なれば?』と言われて『じゃあ、なろうか』って、軽い気持ちで書いただけです。
やまと学校時代は、ケガで半分くらいしかリーグ戦を走っていません。巧く乗れないから面白くなかったのもあるんですけど、あまりボートに乗りたくなくて・・・。ただ、リーグ戦は好きでしたよ。練習よりも試合がしたかったんです。レースになれば『行ってやろう!』という気持ちでいましたね。やまと学校のときから、フライングや事故は多かったです」
--確かに、デビュー10年でフライング19回は・・・。
下條 「多いですよねえ(苦笑)。敗者戦が多いんじゃないかな?勝ちたい気持ちに集中力がついてきてないというか、『勝ってやろう』という気持ちだけで行っちゃうからだと思います。だから、集中している準優や優勝戦ではあまり切らないんですよ。優勝戦は1回だけです。その1回が地元初優出(09年7月・マンスリーBOAT RACE杯・夢の初優勝W決定戦)なんですけど・・・。
あのときは北原友次さんがイベントでいらしていたんです。優勝戦の前に、『敵は時計だけだぞ』とアドバイスをいただきました。モーターも普通で得点率もトップじゃなかったのに優勝戦1号艇で。1号艇での優出も初めてだったので緊張したし、"勝ちたい"という気持ちが先行しすぎていましたね。時計の針がくるのを待てずにレバーを握ってしまいました。今だったら隣を見るなり、レバーを落とすなりできますけど。
でも、大村での経験があったので、2ヵ月後の鳴門ではスタートも集中して行けたし、焦ることなく捲り差しに入って初優勝することができました」