the INTERVIEW

"博多の"ダービーで良い成績を残して、
グランプリに行きたいです!
おかざき やすひろ
1987年(昭和62年)1月10日生まれ。福岡支部・94期。
2004年5月、福岡でデビュー、05年2月、戸田・一般競走で初優勝。06年12月、芦屋・ダイヤモンドカップでGI初出場。07年5月、住之江・第34回オールスターでSG初出場。10年5月、浜名湖・第37回オールスターでSG初優勝を飾る。今年はSG優出2回を含め17回優出、うち5回優勝。賞金ランクは9位につけている(9月25日現在)。
1987年(昭和62年)1月10日生まれ。福岡支部・94期。
2004年5月、福岡でデビュー、05年2月、戸田・一般競走で初優勝。06年12月、芦屋・ダイヤモンドカップでGI初出場。07年5月、住之江・第34回オールスターでSG初出場。10年5月、浜名湖・第37回オールスターでSG初優勝を飾る。今年はSG優出2回を含め17回優出、うち5回優勝。賞金ランクは9位につけている(9月25日現在)。
「天才・岡崎恭裕」を知らないファンはいないだろう。デビュー当時から将来性を高く評価され、2010年の平和島クラシックでSG初優出、同年の浜名湖オールスターでSG初制覇を果たした。その後はタイトルと無縁だが、今年は尼崎オールスター、鳴門オーシャンカップの両SGで優出。勝率は8点台とハイレベルな走りを披露している。自信をつけた天才レーサーが、地元・福岡で2度目のSG制覇に挑む。
(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』河村公詞)
岡崎 恭裕 選手 データ室
(2016年9月25日現在)
(2016年9月25日現在)

◆通算成績 | |||||
---|---|---|---|---|---|
出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
通 算 | 2,752回 | 110回 | 32回 | 49.5% | 66.1% |
S G | 299回 | 8回 | 1回 | 35.8% | 50.8% |
G I | 728回 | 11回 | 0回 | 36.7% | 53.7% |
◆全国成績(最近3節) | ||||
---|---|---|---|---|
16年 | 9月 | 常 滑 | GI・Yダービー | 3 5 2 1 2 1 2 3 |
16年 | 9月 | 戸 田 | タイトル | 2 2 2 1 2 4 5 |
16年 | 9月 | 多摩川 | GI・周年 | 2 4 1 1 1 1 1 2 |
◆福岡成績(最近2節) | |||
---|---|---|---|
15年 | 8月 | タイトル | 2 1 2 3 2 3 4 1 2 2 |
15年 | 7月 | GI・周年 | 2 2 1 5 4 1 5 1 3 |
戦える技術があれば
気持ちひとつで変われる
―今年は最高勝率を狙える勢いです!
岡崎 成績にムラがある僕が最高勝率を狙える位置にいることに、僕もびっくりしています。最高勝率は一番縁遠いものだと思っていましたが、今年はSG・GIを走って8点勝率ですから。
―スタートも早くなっています。
岡崎 そうですね。今まで、平均STでコンマ13とか14という数字は残したことがありません。最後にフライングをしたのが2014年12月の大村誕生祭です。1年間フライングをしなかったのは、選手になってから初めてです。少しずつですが、スタートに自信を持てるようになっています。
―好調の理由に思い当たるフシは?
岡崎 レースに取り組むうえで、何か変えたことはないです。プロペラ制度が変わったときは6点勝率しか残せませんでしたが、それが当時の実力。エンジンやプロペラの対応が遅れたということではありません。
大事なのは、良いときにしっかり成績を残して、悪いときでもそれなりにしのぐことです。6点しか残せなかったのは、そこで頑張れなかったからです。それが実力というものではないですか。
きっかけやメンタルも大事だと思います。ある程度の技術があれば、気持ちひとつで変わります。
―では、気持ちが変わったのでは?
岡崎 去年の蒲郡メモリアル優勝戦で、竜ちゃん(峰竜太)と(篠崎)元志がすごいレースをしましたよね(1着・篠崎、2着・峰)。そこで変わったんだと思います。
それまでは、悔しいと思う力が足りなかった。「自分はいいや」と思っていたけど、そうじゃない。楽しそうじゃないですか。その場にいないのが悔しかった。あのレースを見て「自分も一緒に走れたらな」という気持ちになりました。
気持ちが変わって成績が上がれば、それが自信になって、自信を持つと何事も好転します。それが今の成績に繋がっているのかもしれません。
大事なのはボートとの一体感
それ以上の調整は不要
―岡崎選手は整備・・・されますか?
岡崎 整備は、よほど戦えないときぐらいしかやりません。ゴンロクしかとれなくて、これより悪くなることはないというときぐらい。最後に部品交換をしたのは、去年の芦屋正月戦です。
整備が苦手というのもあるんですけど、やっても良くなるという感覚が僕にはあんまりわからないんです。直線はかぶり方も多少あるかもしれないけど、出足はそれまでの使用者で変わります。僕はエンジンに合わせて、良いように乗っています。
僕が欲しいのは、ターンの押しです。ロスなくターンができることと、回転の上がりを良くすることのバランスが大事です。バランスが取れているときは、ボートとの一体感があって、レースもしやすいです。
身体の動きと同じようにボートが動いてくれて、手足のように操れると感じたら調整完了。捲り差しで突き抜けて勝ったときは気持ち良いですよ。
ボートとの一体感はやまと学校の頃から求めてきたもので、それはデビューして13年が経った今も変わっていません。
―プロペラ調整もあまりしない?
岡崎 自分のイメージしている乗り心地になれば、プロペラも微調整だけです。叩く必要がなければ叩くことはありません。足が普通ぐらいしかなくても、レースがしやすければ良い。だから、伸びをつけようとか、プロペラをもっと煮詰めるということもしません。実際、9月の多摩川周年では2日目からノーハンマーでした。コメントでも「乗り心地が良い。体感が良い」と言っていたと思います。
―でも、モーターは出ています。
岡崎 今年に入って、中堅より出なかったことはありません。自信がなかったらもうちょっと試行錯誤するし、他の選手と情報交換をしたりすると思います。今はプロペラ調整に自信が持てているので、最近は2日目ぐらいに調整が終わっていることが多いです。
―多摩川周年はチャンスでした。
岡崎 多摩川周年(優勝戦1号艇で2着)は惜しかったですね。
敗因はターンミスです。ハンドルを切る前にちょっと寄りが足らなかった。エンジンは前検から伸びを含めて良い感じでした。緊張はしていなかったし、不安もなかったんですけど。いつもどおりに行こうと自分に言い聞かせて、そのとおりだったんですが・・・、結果を出すのは難しいですね。
レースの予想は当日に
小説はハマる危険性アリ
―レース場では比較的のんびり?
岡崎 レース前は、シミュレーションをしたりします。当日一緒に走るメンバーや足、スタートなど、いろいろな要素を組み合わせて、柔軟に対処できるように準備します。
エンジンが出ていて調整が早く終わっているときは、週刊誌やファッション雑誌を読んだりしてリラックスしていることが多いですね。マンガも読みます。小説も好きなんですけど。
―小説だと、何か問題でも?
岡崎 レース場で小説を読むのは危険です!
入り込んでしまうんですよ。宿舎でも「もう寝なきゃ」って思うんですけど、ついつい読んでしまって・・・(笑)。初日までに読み終わってしまうので、最近は宿舎では読んでいません。好きなのは、誉田哲也の『ストロベリーナイト』で、姫川玲子シリーズは全作品読みました。非現実的なやつが好きですね。
あとは、前夜版を見て進入を考えるぐらいですかね。考え過ぎて寝られなくなることはない。おなかが空いて寝られないことはありますけど(笑)。
現在、"博多に"片想い中
ダービーでアピールする!
―開催地は純地元の福岡です。
岡崎 博多(福岡)は特殊な水面です。嫌いな人は本当に嫌いな水面だと思います。ボートの向け方も違うし、うねりに乗ってしまったりするし、いつもどおりに回ろうと思っても回れないことがあります。2マーク側は広いので、僕はターンマーク際を差す感じで走っています。攻めるにしろ、差すにしろ、博多では中途半端が一番ダメです。どこでも地元の利はあるけど、博多は特に地元選手が有利になる水面です。その点は、間違いなく強みになると思います。
ただ、博多は15年のお盆戦から1年以上呼んでもらっていません。大好きな水面なのに・・・、片想いは疲れました(苦笑)。もっと呼んでもらえるように、今回はしっかりアピールしないといけないですね。
―では、まずここでアピールを!
岡崎 去年までは自信がなかったけど、今年は自信を持ってレースができています。浜名湖でSGを獲らせてもらったときより、成長できているとも思っています。
賞金ランクは6位以内が良いですけど、まずはグランプリの「トライアル1st」1号艇、8位以内が目標です。6年前にグランプリを走ったときはすごく楽しかった。今度グランプリに出場したら、6年前とはまた違った感覚で走れるのではないかと思っています。
今年はここまで最高のリズムで来ています。「トライアル2nd」の1号艇を手にするには、ダービーを獲るしかありません。
"博多の"ダービーで良い成績を残して、年末のグランプリに行きたいです!