2連率上位15モーター
秋口まではスリット近辺から豪快に出ていく雰囲気があったが、10月オールレディースで山川美由紀が「スタートはしやすいけど、出て行くようなことはないです」と話したように、温水パイプが着いて以降はかつてのストロングポイントが消えてしまった。
良機であることには違いないが、やや下がり目の印象。ベスト12に入ると少し厳しいかも。
ハマったときの爆発力という点では、65号機にも引けをとらない。10月オールレディースでは強烈な行き足仕様にした鵜飼菜穂子がカドから豪快に捲って2勝、A級勝負駆けを成功させたのは記憶に新しい。
ただ、その後に乗った柴田直哉と鈴木猛は悪くなかったものの、抜群とまでは行かなかった。プロペラを含めた調整力がカギを握りそうだ。
検定タイムは2位タイだった。乗り手の平均2連率を大きく上回る数字を残している。周年では前田将太が準優1号艇、10月には白水勝也が乗ってホクホク顔の仕上がりだった。
温水パイプ装着後は加藤奈月、池田真治のB級選手が乗ってもパワフル。12月の企業杯では須藤博倫が伸びも出足もトップ級に仕上げた。クイーンズCでも活躍が楽しみ。
初下ろしから行き足が凄く、全速スタートならスリットから軽快に伸びていく。7月県内戦で沖島広和が優勝、周年は下條雄太郎が上位級の仕上がり、お盆レースでは楠原翔太が初優出とエピソードは多い。
温水パイプ装着後のオールレディースでも長田光子が上々。続く藤丸光一も、久しぶりに凄い行き足に仕上がっていた。
季節を問わず、行き足から伸びにかけて威力を発揮してきた強力モーターだ。周年では飯山泰が優出を果たしている。
9月以降もその安定感は際立っており、出足、伸びのどちらかに二重丸がつく状況。温水パイプ装着後の10月オールレディースでは、喜井つかさが伸びと回り足を仕上げて準優に進出した。その後も好素性ぶりを見せている。
周年では抜群の伸びを発揮して後藤翔之をGI初優出に導いたモーターだが、10月以降は徐々に傾向が変わってきている。温水パイプ装着後の10月オールレディースは日高逸子、12月企業杯では堤昇が使用し、ともに出足寄りに仕上げていた。
クイーンズCではうねりや引き波を恐れることなく、艇団を割るシーンが見られるかも。
使用2節目からプロペラとギアケースを交換するなど波乱のスタートだったが、その後は乗り手にも恵まれて勝率が上昇。8月から9月にかけて作間章と今井貴士が連続優出している。そのパワーは10月に乗った草場康幸が「Aランクでしょ」と太鼓判を押したほど。
温水パイプ装着後は伸びが目立たなくなったとはいえ、出足は相変わらず強力だ。
現状は下降線をたどっていて結果も伴っていない。選手の体感によって評価が大きく分かれている。
10月一般戦の竹上真司やオールレディースの中谷朋子のように、出足と回り足を引き出して活躍した選手もいれば、行き足や伸びを重視して調整した選手が苦戦しているのも事実だ。2連率45%という数字ほどのインパクトはない。
優出こそオールレディース1回のみだが、初下ろしの石岡将太が「回ってからの押しは良い」と高評価。その後に乗った選手からも「レース足が良い」とのコメントが多く聞かれた。
12月企業杯では金子龍介がプロペラ調整に大苦戦、まさかの予選敗退となったが、終盤には「モーターはしっかりしている」と、その底力を実感していた。
初下ろしでは一宮稔弘が強力な行き足と伸びを見せて優出したが、その後はイマイチ仕上がり切らない印象だ。
11月に中田竜太が優勝したものの、続く12月企業杯では地元の平田忠則が「前回優勝機って感触はしない。パンチ力がない」と不満顔。それでも何とか立て直して3年ぶりの当地優勝を果たした。気配的には中堅級が一杯か。
初下ろしから特に目立つ足にはなっていないが、コンスタントに予選突破している安定したモーターだ。基本的には伸び型に仕上がることが多いが、調整次第では出足型にも対応可能。
直近では11月一般戦で西村拓也が伸び型に仕上げて優勝、12月企業杯では山田康二が出足型で準優勝の成績。実力者が乗れば上位級に近いレベルになる。
初下ろし当初は好不調の波が大きいモーターといった印象が強かったものの、温水パイプを装着した10月オールレディースあたりから安定ムードに。
大澤真菜と一宮稔弘は出足寄りの仕上がりだったが、次の上田洋平が「このプロペラだと乗れないので調整します」とコメント。その後は伸び寄りへとシフトチェンジしている様子だ。
7月周年では周年初挑戦の岡村慶太が準優出するなど、必ず中堅以上に仕上がる。温水パイプ装着後はさらに力強い動きを見せており、11月一般戦で優出した佐竹恒彦は「競って負ける気がしない」ときっぱり。12月企業杯でも中田元泰が高配当を提供した。
検定タイム2位タイが示すとおり、素性の良さは40%台のモーターにも負けない。
7月周年の茅原悠紀は出足さっぱりだったが、続く村越篤は出足の良さを生かして優出。その後も鈴木茂正、岡部貴司、直近の12月企業杯で山本英志が優出している。
共通して言えるのは、レース足の良さを実感している選手が多かったことだ。テクニックで勝負する選手にとっては鬼に金棒で、道中戦で力を発揮するモーターと言える。
福 岡
モーター2連率ベスト20
| 順位 | モーター 番号 |
2連率 | 勝率 | 優出 | 優勝 | 順位 | モーター 番号 |
2連率 | 勝率 | 優出 | 優勝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 65 | 51.9% | 6.42 | 4 | 2 | 11 | 52 | 40.5% | 5.72 | 4 | 2 |
| 2 | 53 | 49.6% | 6.43 | 3 | 1 | 12 | 46 | 39.5% | 5.80 | 2 | 1 |
| 3 | 39 | 48.4% | 5.72 | 3 | 1 | 12 | 31 | 39.5% | 5.69 | 5 | 2 |
| 4 | 33 | 47.0% | 6.14 | 2 | 0 | 14 | 29 | 38.3% | 5.83 | 2 | 0 |
| 5 | 60 | 46.8% | 6.45 | 4 | 1 | 15 | 56 | 38.1% | 5.58 | 4 | 0 |
| 6 | 40 | 46.4% | 6.05 | 3 | 0 | 16 | 48 | 37.7% | 5.74 | 1 | 0 |
| 7 | 51 | 46.0% | 6.09 | 2 | 0 | 17 | 47 | 37.4% | 5.77 | 3 | 0 |
| 8 | 41 | 45.8% | 6.02 | 2 | 0 | 17 | 11 | 37.4% | 5.39 | 2 | 0 |
| 9 | 66 | 45.1% | 6.08 | 3 | 0 | 19 | 75 | 37.0% | 5.14 | 2 | 0 |
| 10 | 43 | 43.1% | 5.88 | 1 | 0 | 20 | 71 | 36.8% | 5.43 | 1 | 0 |
(2015年6月・使用開始~12月6日)
検定タイム2位の良機が温水パイプ装着後に復調。直前に永田啓二、西島義則と実力者が乗り継ぎ急上昇中。
スピードでは若手に見劣るも、道中のさばき、整備力は女子屈指。福岡なら地の利は絶大で、連覇に期待。
温水パイプの着いた10月オールレディースからパワー急上昇。12月企業杯でも中田元泰が強伸びを見せた。
かつては事故禍に苦しんだが、最近は攻めの積極性はそのままに安定感が増した。破壊力満点の攻めに注目したい。
2連率40%未満でも上位に匹敵する実績。クイーンズC出場は微妙だが、シリーズ戦回りなら間違いなく買い。
2年連続出場は成長の証。大村オールスターでは男子強豪を相手に水神祭を飾った。元気娘が地元でキラリと輝く。
10月オールレディースで喜井つかさが「グッと前に押してる」と太鼓判。いかにも女子選手に合いそうだ。
芦屋レディースCCが負けて強しの好内容だったように今年序盤の不振は脱している。2度目の載冠に期待したい。
山川美由紀らが「乗ってみたい」と挙げたモ ーターの一つ。温水パイプ装着後も行き足、伸 びに安定感がある。
7月当地周年でつかんだ調整力を発揮して10月オールレディースで優勝。当地実績は女王戴冠につながる。
一時期は下降も10月オールレディースでプロペラ、ギアケースが換わってから激変。良機シリーズでも出足は上位級。
持ち味の旋回力に磨きをかけ、スタート力も向上。攻めのレースが増えて勝率は大幅アップ。センターが狙い目。

現行モーターで唯一2連率50%を超える、文字どおりのエース機だ。7月周年で山崎智也が優勝したのを皮切りに、季節を問わず力強い動きをみせた。10月オールレディースでは寺田千恵が「行き足が凄い」と圧巻の2コース捲りで5年ぶりの当地優勝を飾っている。
足負けは考えづらく、手にできれば大きなアドバンテージが得られることは必至。