モンスター野中和夫氏、語る。

ファンの夢を背にパワーアップ!スターレーサーのトップを目指すファンタスティックSG!
SG優勝17回! GI優勝39回! ボートレースオールスター(笹川賞)は初開催をはじめ優勝6回! モンスター・野中和夫氏、語る。 SGオールスターを

地元で初開催。勝負を懸けた

「SG笹川賞、今大会からボートレースオールスターと言うのですね。このSGは第1回の住之江から、全6回優勝しています。笹川賞はファン投票ですから、応援してくれるお客さんの期待に応えたいという気持ちが強かったですね。前年(1973年)の9月頃に突然、開催が決まりました。第1回は地元の住之江でした。

その年は、笹川賞じゃなくて、3月常滑の総理杯(2014年から新通称名・SGボートレースクラシック)で優勝してやろうと準備していました。誕生日の1月1日から減量を始めました。炭水化物は一切食べません。正月に出た赤飯も一口も口にしませんでした。口にしたのは朝鮮人参を煎じたお茶とパイナップルでしたかね。

そうして、身体をしぼって総理杯に臨んだんですが、1 1 2着と行って、3日目に進入のときにエンストして出遅れ。準優勝戦には乗れませんでした。

悔しかったけど、先輩から『ここまで身体をいじめて来たのやから、あと2ヵ月辛抱できるやろ。そうすると笹川賞や。地元で初開催やし、もう少し頑張ってみたらどうや』とアドバイスされて、『それなら勝負を懸けてみようか』と思いました。その前年に、笹川賞の前身である全国地区対抗で優勝戦に乗っているので、笹川賞に懸ける思いは強かったですね」

先輩に可愛がられて力をつける

「私は選手になったのが25歳ですからね。笹川賞は選手になって5年目です。早く強くなりたいと、吸収できることなら何でも吸収してやろうと思っていました。先輩の家に押しかけてモーター整備のこと、レースのこと、なんでも聞きました。レース場に行けば行ったで、他人の何倍も動きました。

まず、先輩から名前を覚えてもらわないことには始まりません。荷物のまとめから、切符の手配まで、先輩がやりたいと思っていることを、先手、先手を取ってやりました。

モーターを出すには体重を絞った方が良いので、減量もしました。先輩のなかには、『筋肉を絞ったくらいでは減量にならん。骨までやせろ』と無茶を言う人もいたほどです。

先輩から食事の誘いがあれば、喜んでついて行きました。食事中に頃を見計らって、トイレに行く振りをして勘定を済ませておくのです。すると先輩は『野中、勘定してくれたんか。すまんな』となります。次にレース場で顔を合わすと、『プロペラの叩き方はこうすれば良いのや』と教えてくれました。そうして先輩に可愛がられて、選手になって5年以内にファン投票で笹川賞に選んでもらうことができました」

強くなるために人の何倍も努力する

「米粒は口にせず、流動食とサウナで身体を絞りに絞って臨んだ第1回笹川賞では、2 1 5 1 6 2 1で優勝戦に駒を進めることができました。優勝戦はコース取りがもつれ、私は5コースからのダッシュ戦を選択しました。

地元でフライングをしたとき、1日中、スタート練習をしたことがあります。強くなるために、できることは他人の何倍でもやってきたつもりです。それが優勝戦では生きたと思います。一気に捲って優勝できました。自分にとって初のSGタイトルでした。笹川賞では6回優勝できましたが、一番思い出深い優勝です」

福岡オールスターは、地元の若手に期待

第20回大会写真

「今回のオールスター(笹川賞)は、福岡ですね。地元福岡の若い選手に注目でしょう。選んでもらったという意識があるので、気持ちの入り方が違います。

もちろん、それだけでは勝てませんよ。勝つために何をすれば良いか、常に先を考えて、準備をしておかないとダメです。勝つためのシナリオを描いておくことです」


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第20回大会(1993年・丸亀)で、6回目のオールスター優勝を飾り、小切手ボードを掲げる野中氏

SGボートレースオールスター(笹川賞)  歴代優勝者
開催年 開催場 優勝者
第1回 1974年 住之江 野中 和夫
第2回 1975年 常 滑 北原 友次
第3回 1976年 住之江 野中 和夫
第4回 1977年 住之江 加藤 峻二
第5回 1978年 住之江 彦坂 郁雄
第6回 1979年 住之江 中道 善博
第7回 1980年 住之江 中道 善博
第8回 1981年 住之江 貴田 宏一
第9回 1982年 住之江 常松 拓支
第10回 1983年 住之江 彦坂 郁雄
第11回 1984年 浜名湖 今村  豊
第12回 1985年 住之江 井上 利明
第13回 1986年 住之江 新田 宣夫
第14回 1987年 尼 崎 野中 和夫
第15回 1988年 住之江 安岐 真人
第16回 1989年 下 関 黒明 良光
第17回 1990年 住之江 野中 和夫
第18回 1991年 住之江 野中 和夫
第19回 1992年 住之江 中道 善博
第20回 1993年 丸 亀 野中 和夫
第21回 1994年 戸 田 福永 達夫
第22回 1995年 浜名湖 服部 幸男
開催年 開催場 優勝者
第23回 1996年 児 島 松井  繁
第24回 1997年 常 滑 植木 通彦
第25回 1998年 桐 生 山崎 智也
第26回 1999年 蒲 郡 濱村 芳宏
第27回 2000年 蒲 郡 熊谷 直樹
第28回 2001年 浜名湖 松井  繁
第29回 2002年 尼 崎 西島 義則
第30回 2003年 平和島 平石 和男
第31回 2004年 尼 崎 上瀧 和則
第32回 2005年 常 滑 植木 通彦
第33回 2006年 戸 田 山崎 智也
第34回 2007年 住之江 瓜生 正義
第35回 2008年 平和島 井口 佳典
第36回 2009年 福 岡 瓜生 正義
第37回 2010年 浜名湖 岡崎 恭裕
第38回 2011年 尼 崎 池田 浩二
第39回 2012年 浜名湖 井口 佳典
第40回 2013年 福 岡 新田 雄史
2014年 第41回大会 福 岡
優勝戦
6月1日(日) 第12レース