the INTERVIEW
「良くも悪くもマイペースなんです」は池永太本人の弁。周囲が急いでいるのにのんびりしていれば困るだろうが、それがSGやGIの水面上なら大きな武器となる。今年は優勝7回、9月には三国でGI初優勝も飾った。この勢いに乗って、地元でSG初優勝、そしてグランプリ出場だ。
(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』依藤研二)
1985年(昭和60年)3月19日生まれ。福岡支部・97期。
2005年11月、福岡でデビュー。10年9月、下関・タイトルで初優勝。12年1月、芦屋・新鋭王座でGI初優出。13年8月、丸亀・メモリアルでSG初出場。15年9月、三国・周年記念で今垣光太郎、松井繁らSG覇者を相手にGI初優勝を飾った。同期には土屋智則、山口達也、西山貴浩らがいる。
池永 宮崎県の延岡市です。南国ののんびりした雰囲気のせいか、宮崎の人って良い意味でも悪い意味でも"マイペース"なところがあるんですよね。だから、デビューした頃は先輩によく怒られました。「陸の上の作業がマイペースだ!」って。自分では一生懸命だったんですけど、福岡の人から見たらのんびりだったみたいです(笑)。
今は北九州市に住んでいますし、すっかり福岡ペースですよ。芦屋を地元に選んだのは、福岡3場では芦屋と若松がよく練習させてもらえると聞いたからです。若松より近かったので、芦屋にしました。
練習には相当行きましたね。練習できる日は、ほとんど行って乗っていました。課題を持つことも大事だけど、それを意識しているうちはダメだと思って、体が勝手に動くようになるまで乗り込みました。
池永 宮崎に住んでいたので、選手になる前はボートレースのことをほとんど知らなかったんです。誰がスゴい選手なのかも、わかっていませんでした。
瓜生さんは...やっぱりスゴいです。瓜生さんのターンは"へばりつきターン"なんですよ。スピードを落としているわけではないのに、どんな荒れた水面でも暴れない。「磁石か!?」というくらい、水面にへばりついています。あんなターンをしたいですけど、なかなかできないですね。
池永 初めて出力低減機に乗ったのは、3月の桐生です。モーター自体は良かったんですけど、体感に違和感がありました。
出力低減機はスピードを落としすぎると前に進まなくなるので、なるべくスピードを落とさず、負荷を掛けすぎないように回るのがポイントだと思います。特に旋回方法を変えてはいないけど、負荷の掛けすぎには注意しています。
プロペラのヒントをつかんだのは、5月津の一般戦です。まだ出力低減機ではなかったんですけど、「こういう調整もあるんや」と。それを出力低減機で試してみたら、うまく行ったんです。この調整はプロペラの個別部分なので、ほかの部分も追求すればもうちょっと出るんじゃないかな。8月多摩川の新モーター、新プロペラのシリーズで仕上げられたのも自信になりましたね。
池永 2013年の平和島・ダービーは、「これは、優出できると面白いな」という仕上がりだったんですよ。準優は4コースのカドや ったんですけど、狙える足でした。14年の若松・メモリアルは若松に推薦してもらっての出場でした。プロペラに迷っていたけど頑張りたかった。勝負が懸かったときは守りに入るつもりはないし、行くときは行きます。でも、その結果が両方ともフライングやったんで...、迷惑をかけてしまいました。
若松のメモリアルで、初めてF2になりました。90日のフライング休みは長かったですね。その間に同期は上の舞台で頑張っている、同世代の選手の活躍も聞こえてきます。ボートに乗っている年数はそんなに変わらないのだし、自分も頑張ったら上の舞台で戦えると思っていましたから、「オレは何しよんのかなぁ...」と。
振り返ると、今まではスタートに頼っていたところがありました。その結果がF2です。どうやればスタートをそこまで行かずに勝てるかと考えたら、やっぱりモーター出しと旋回力を磨くしかない。休み中はプロペラのゲージを作ったり、後輩と練習に行ったりしていました。
もうすぐフライング休みが明けるというときに、「クラシック出場権と年間5回優勝」という15年の目標を立てました。芦屋のチャレンジカップも頭にはあったけど、"クラシック"の方が現実的でしたから、それで頑張ろうと思いました。1月の若松一般戦で優勝できて、うまく流れに乗れましたね。
三国・GI北陸艇王決戦
[開設62周年記念]優勝戦
| 着順 | 枠番 | 選手名 | 支部 | 進入 | ST | タイム |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 池永 太 | 福岡 | 1 | 15 | 1.47.7 |
| 2 | 4 | 中辻 崇人 | 福岡 | 4 | 13 | 1.49.3 |
| 3 | 5 | 田中信一郎 | 大阪 | 5 | 21 | 1.50.5 |
| 4 | 3 | 松井 繁 | 大阪 | 3 | 26 | |
| 5 | 6 | 魚谷 智之 | 兵庫 | 6 | 16 | |
| 6 | 2 | 今垣光太郎 | 福井 | 2 | 26 |
▲3連単 1-4-5 4,380円(16番人気)
▲決まり手=逃げ
池永 あのシリーズは、モーターも流れも良かったと思います。
ただ、イカンかったのは予選最終日の6着ですね。モーターが前に伸びて行くので、左に寄ってしまいました。捲りに行けるか、行けないかという状況で、中途半端になってしまって...。あれはやったらイカン旋回、完全にミスです。このレースをクリアすれば予選トップ通過ということもあって、意識をしすぎましたね。そのことがあったので、準優は同じ2コースからしっかり旋回できました。準優2号艇で1等が獲れて、残り2つの準優でも1号艇が負けてしまうなんて、なかなかないですよ。準優日だけ追い風が強かったんです。
優勝戦は1号艇で、もちろんインから。スタートで2、3コースが遅れるとは思わんかったから、4号艇しか見えなくてビックリしましたが、モーターは変わらず出ていたので、冷静に回れました。
池永 この位置にいる以上、グランプリ出場は意識します。1年ぶりのSGだけど、いつも走っている地元のレース場です。ガチガチにならず、宮崎県人らしくマイペースで、思い切ってレースをしたいと思っています。気合を入れていきますよ!
(2015年11月3日現在)
| ◆通算成績 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
| 通算 | 2,352回 | 78回 | 18回 | 45.6% | 61.1% |
| SG | 22回 | 0回 | 0回 | 27.3% | 45.5% |
| GI | 222回 | 3回 | 1回 | 33.3% | 49.6% |
| ◆全国成績(最近3節) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 15年 | 10月 | びわこ | GI・周年 | 6 1 2 1 2 1 5 1 3 |
| 15年 | 10月 | 芦 屋 | 一般競走 | 3 2 2 1 1 6 1 1 3 1 5 |
| 15年 | 10月 | 若 松 | 一般競走 | 1 1 2 4 1 1 3 1 1 1 2 |
| ◆芦屋成績(最近2節) | |||
|---|---|---|---|
| 15年 | 10月 | 一般競走 | 3 2 2 1 1 6 1 1 3 1 5 |
| 15年 | 4月 | 一般競走 | 2 1 1 2 1 1 4 1 1 |
SG チャレンジカップ 歴代優勝者
| 回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1998年 | 平和島 | 江口 晃生 |
| 第2回 | 1999年 | 平和島 | 今垣光太郎 |
| 第3回 | 2000年 | 住之江 | 濱野谷憲吾 |
| 第4回 | 2001年 | 児 島 | 西島 義則 |
| 第5回 | 2002年 | 津 | 植木 通彦 |
| 第6回 | 2003年 | びわこ | 烏野 賢太 |
| 第7回 | 2004年 | 児 島 | 田村 隆信 |
| 第8回 | 2005年 | 芦 屋 | 上瀧 和則 |
| 第9回 | 2006年 | 丸 亀 | 三嶌 誠司 |
| 第10回 | 2007年 | 浜名湖 | 湯川 浩司 |
| 回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
|---|---|---|---|
| 第11回 | 2008年 | 浜名湖 | 坪井 康晴 |
| 第12回 | 2009年 | 常 滑 | 原田 幸哉 |
| 第13回 | 2010年 | 唐 津 | 今垣光太郎 |
| 第14回 | 2011年 | 大 村 | 田村 隆信 |
| 第15回 | 2012年 | 児 島 | 平尾 崇典 |
| 第16回 | 2013年 | 津 | 森高 一真 |
| 第17回 | 2014年 | 下 関 | 太田 和美 |
| 第18回大会 芦 屋 優勝戦 2015年11月29日(日)・第12レース |
|||
池永 中学生だったか、高校生の頃かな。夏休みに東京の叔父のところへ遊びに行ったんです。叔父さんに「お金稼ぎに行くぞ!」と言われて、行ったところが平和島(笑)。そこで初めてボートレースを見て、「楽しそうやなあ~」と。
その後、体を動かす仕事も良いなと思って、高校を卒業するときにやまと学校を受けてみたんです。ずっと野球をしていて、勝負ごとは好きでしたからね。