グランプリ出場枠拡大以降
一発逆転は不発気味で…
賞金王決定戦の名称が「グランプリ」になった2014年、SGチャレンジカップにGIIレディースチャレンジカップが併設されるようになり、チャレンジCの出場枠が52名から32名に減った(15年からは2名増えて34名)。
グランプリの出場枠が12名だった頃は、43位の平尾崇典がチャレンジCで優勝して一発逆転で出場という年もあったが、18名(1st12名、2nd6名)になってからは劇的なチャレンジは成功していない。
14年の下関・17回大会では19位にいた石野貴之が特別選抜B戦で1着、17位で出場できた。2ndからスタートする上位6名は、多少の順位変動があったものの7位以下からのジャンプアップはなかった。
16年の大村・19回大会では18位以内にいた峰竜太と田中信一郎がオーシャンC準優戦のフライングでチャレンジCに出場していなかったため、チャレンジCに出場した辻栄蔵と魚谷智之がグランプリ1stに出場できた。峰と田中のペナルティがなければ、辻1人のみだった。
3ヵ月勝率の推移から
各選手のバイオリズムを読む
今年も同じような傾向になるのなら、チャレンジそのものに対する魅力はない。しかし、今年は劇的な変化が起きそうな予感がする。理由は獲得賞金上位の選手の中に、大きく調子を落としている選手がいるからだ。
まずは石野貴之だ。オールスターとグラチャンでSG連続優勝、10月31日現在で獲得賞金2位の石野だが、フライング休みでチャレンジCに出場しない。「プロペラに迷いがある」とコメントしている桐生順平(埼玉)は今年1~3月の勝率7.85から4~6月には7.52、7~9月は6.80と下降の一途。モーター抽選が最優先の最近のSGでも、“勝ちを呼び込む”選手と“勝ちが逃げて行く”選手の違いが、はっきりと数字に表れている。
年間を通じて安定しているのは峰竜太(佐賀)だ。1~3月の勝率は8.03、4~6月は8.25、7~9月は9.26と高い数値で推移している。地元の白井英治(山口)は8.34→7.67→8.03、寺田祥(山口)も7.97→7.68→7.81と安定した成績を残しており、2ndステージからの出場は間違いないだろう。モーター調整が当たっているから高勝率をキープできるわけである。
一方、菊地孝平(静岡)のように7.56→7.20→7.12と下げ基調の選手はジャンプアップの可能性が低い。18位圏内にいても、ボーダー近辺ならシリーズ回りになる可能性も出てくる。同じく下降線の前本泰和(広島)、毒島誠(群馬)、湯川浩司(大阪)もチャレンジCで下げ止まりになるかどうか。
今回のチャレンジCで賞金ランク18位圏外からジャンプアップしそうなのは、モーター調整が当たっている前田将太(福岡)と新田雄史(三重)とみた。「海響ドリームナイター」初のSG覇者となるか。