the INTERVIEW

ささき かんた
1996年5月29日生まれ。山口支部・120期。
2017年5月、徳山でデビュー。20年4月、下関・タイトルで初優出。20年2月、下関・周年記念でGI初出場を果たす。同期には前田篤哉、井本昌也らがいる。
◆通算成績

出走回数 優出 優勝 2連率 3連率
全種別 870回 9回 0回 27.1% 45.1%
G I 11回 0回 0回 9.0% 27.2%
◆全国成績(最近2節)
21年 8月 大 村 タイトル 61333231失(帰郷)
21年 8月 徳 山 タイトル(お盆戦) 53233313F6
◆徳山成績(最近2節)
21年 8月 タイトル(お盆戦) 53233313F6
21年 7月 ルーキーS 11F6(帰郷)
(2021年8月21日現在)

全国の若獅子たちが集結するPGIヤングーダービーが、9年ぶりに徳山で開催される。地元で唯一人出場を決めた佐々木完太への期待は大きいが、GI初優勝ではなく、さらに先を見据えてオール6コースで走ると話す。
「誰もやっていないことをやって『佐々木完太』という名前をアピールしたい」という野望を胸に、佐々木の快進撃が始まる!

山口屈指の強豪校出身者が野球からボートレースの道へ

― 野球の強豪・早鞆高校のご出身ですが、なぜボートレーサーに?

佐々木 最初は大学に進学して、野球を続けようと思っていました。ただ、高校3年間で身長が伸びなくて…。そこでスパッと野球の道は諦めて、自分に合う職業はないかな、と。そんな時に、同級生からペアボートに誘われたことがキッカケです。

初めてボートに乗った時は怖かったけど、それ以上に衝撃的だった。「自分の仕事はこれだ!」って思いました。

やまと学校(現ボートレーサー養成所)での生活、つらいと思ったことはないです。高校時代は寮生活でテレビも漫画も見られないし、携帯を扱うこともできなかった。やまと学校も合宿みたいな感じでした。

― 120期でやまと学校に入学し、勝率1位で卒業しました。

佐々木 結果を残してデビューしたこともあって、デビュー当時は何となく「やれるんだろうな」って思っていました。完全に調子に乗っていましたね(苦笑)。

2019年に、同県同期の井本昌也が徳山フレッシュルーキーに選ばれました。当時は「自分より先に選ばれて悔しい」という思いもあったけど、それは自分が結果を出せていなかっただけ。まずは将来を見据えて、自分にできることをしよう、と。

それが外からのレースでした。

― イン全盛の時代に、外から…ですか?

佐々木 まずは、外からでも成績をまとめられる自信をつけたかった。結果が出るまでは外で走ろうと決めていたので、同期や周りと比べて枠を主張するのが遅かったです。それが今に繋がっています。

今年は目標だったA級に上がることができて、A1級にも昇級できたので、ペースは悪くないと思います。まだ優勝ができていないので、近い目標は初優勝です。

道中で競ったら強い!機力とスタート力が武器

― 近況はさらに勝率を伸ばしています。

佐々木 最近は自信を持ってレースに臨めています。師匠の吉村正明さんから「若手を引っ張っていけ」と言われたことで、自覚も出てきました。最初はプレッシャーを感じてキツい時期もあったけど、最近はそれを受け止められるようになった。良い緊張感の中で走ることができています。

どこに行ってもエンジンが出るのも、大きな要因だと思います。周りの選手から「いつも(エンジンを)出しているね」って言われることが多い。調整に自信があるわけではないので、抽選運が良いのかな。自分では、エンジンが出やすい体型に救われていると思っています。

スタートに関しても、成長できているのかな。昔はメンタルが弱かったので、絶対に大丈夫なスタートでも放ってしまうことが多かったけど、今年に入ってからはスタートが全速で行けるようになった。1マークの展開が見えやすくなったことで、良い成績が獲れるようになってきました。

― 佐々木選手の得意なレースパターンは?

佐々木 道中の競り合いに自信を持っています。1つでも上の着順を狙っているので、逆転が多いと思う。レーススタイルに合わせて、舟足の特徴も出足寄りにしています。まずは一番大事な行き足を求めて、そこから手前に持ってくる感じです。行き足重視なので、展示タイムやオリジナル展示が出ている時は、エンジンが出ている証拠です。

師匠譲り? そうかもしれないですね。吉村さんも道中追い上げで勝っていらっしゃいます。一番身近な選手なので、ずっとレースを見てきましたし、目標にもしているので、自然と同じスタイルになったのかも。吉村さんからも「最後までしっかり走り切れ」と言われています。

成長の可能性と話題性を求めて今後1年、GIは6コースから

― 地元・徳山水面は得意?

佐々木 凄く乗りやすい水面ではあるけど、他のレース場と違ってちょっと癖がある。水質が柔らかい分、いつもとは乗り方を変える必要があるし、特に2マークはターンマークを振ってあるので、走り方が難しい。ただ、自分は走り慣れている強みがあるし、レーススタイルとも合っているので、そこは大きなアドバンテージになると思います。

スタートですか? 2節連続でフライングをしてしまったけど、他場よりは自信を持って踏み込めるので、F持ちでも問題はありません。

昨年は下関のフレッシュルーキーだったけど、今年は徳山に選んでいただきました。施行者さんからは「ヤングダービーに合わせて、走る機会を増やしてあげたいから選んだ」と聞きました。凄く嬉しかったし、期待されているのだ、と。力になります。

― 徳山といえば、2月中国地区選でのオール6コースが印象的です。

佐々木 最初から地区選は6コース1本で行くつもりでした。自分では、GI以上のレースは6コースから水神祭(初1着)をすると決めています。

6コースから勝つにはエンジンを出さないといけないし、走り方も重要です。準優勝戦には進めなかったけど、ある程度の成績を残せたことが自信になりましたし、いろいろと考える良い機会になりました。そこから急激に成績を伸ばすことができたのは、地区選での経験があったからだと思います。

― ヤングダービーもGIですが、全部6コースで?

佐々木 そのつもりです。ヤングダービーだけではなくて、GIに関しては、今後1年は6コースから行きます。自分が成長するために、今ではなくて将来を見据えて走りたい。

それ以上に重要だと思っているのは、話題性です。GIを6コース1本で戦う選手っていないじゃないですか? なかなか理解されないだろうけど、周りがやってないことをやりたいし、ここで結果を出すことができれば一気に成長できると思っています。

― 地元ヤングダービーへの意気込みを!

佐々木 優勝を狙っていくのはもちろんだけど、今後の自分に繋がるレースがしたい。6コースから勝って、全国のファンの方に「佐々木完太」という名前をアピールしたいです!