the INTERVIEW

勢いに乗る岡山支部のリーダーが満を持してマスターズに登場!地元でGI初優勝と
注目レーサー the INTERVIEW 小畑実成

「地元・児島のマスターズ。
師匠・黒明さんの目の前で
優勝して、喜んで欲しいですね」

 最強のプロペラ集団と呼ばれた「イーグル会」は、黒い弾丸・黒明良光が立ち上げた。黒明氏が引退した後、新たなリーダーとして引き継いだのが小畑実成である。ボートレース王国・岡山を復活させようと、それこそ献身的に若手の育成に力を注いだ。自らも若手の範となるために妥協のないコース取り、レース運びに徹してきた。その後ろ姿を見て、多くの岡山の若手が育った。2014年グランプリ覇者の茅原悠紀もその一人である。
 イーグル会はプロペラ制度の変更とともに解散したが、まだまだ小畑のやるべき仕事は残されている。若手に希望を与えること、それにはタイトル奪取しかない。

(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』武内達也)

マスターズ世代となり経験の重さを実感

--今年からマスターズ世代になられました。

小畑 「選手になって約30年、決してパーフェクトではないけれども、積み重ねてきたことが実を結んでいると思います。若いときに怠けた部分は今になって跳ね返ってきているし、逆に、しっかりやってきた部分については、ちゃんと答えが返ってきています。多くのタイトルを獲ってきた人やトップクラスで活躍し続ける人は、そういう心構えがあるからこそなんでしょうね。若い頃からこの考え方ができていれば、また違った選手人生になっていたのかな、とも思います。ないものねだりですけどね(笑)。
 今の若い子のターンは、僕たちの時代とは違いますね。全部を吸収すると言えば嘘になるけれど、ちょっとでも吸収できれば、まだ若い子たちとも勝負できるかなと思います。常にA1級でいたいという気持ちはありますから、これからも研究や練習を積み重ねていこうと思っています」

--若手の育成に力を入れておられる印象が強いですが・・・。

小畑 「僕がデビュー3年目くらいから成績を残せるようになったのは、数多くレースを走って、技術や感覚的な部分が向上したからだと思います。その後はSGにもたくさん出場しましたし、グランプリシリーズ(賞金王シリーズ)で優勝もできました。
 だから、若い子たちには『フライングを切らないで、レースの数をこなしなさい。レースをすることが強くなる一番の近道だから』と言っています。やはり、毎日の積み重ねは大事です。今の自分に満足することなく、常に新しいものを取り入れていかないと。勝率が良いからといって、次も良い成績が獲れるとは限りませんしね」

今でも思い出すのはSG初優勝のレースより地元GI優勝戦でのF

--グランプリシリーズがGIからSGに昇格した97年、第12回大会でSG初優勝されています。思い出のレースと言えば、この優勝戦ですか?

小畑 「確かにグランプリシリーズ優勝戦は思い出に残っていますが、あのレースは優勝を全く意識していなかったんです。モーターが優勝できるほど出ているとは思いませんでしたし、1号艇の中道善博さん(の優勝)で鉄板みたいな雰囲気でした。
 当時はアウトからスタート勝負のレースをしていたので、自分のレースをした結果が優勝という形になったんだと思います。だから嬉しいことは嬉しかったんですが、今ひとつピンとこなかったですね(笑)。
 それよりも児島の記念、確かダイヤモンドカップ(94年)だったと思いますが・・・優勝戦1号艇で6コースからフライングをしたことが一番心に残っています。あのときはモーターが凄く出ていました。今なら1コースを主張するという選択もあるけれど、当時はバリバリにインを獲りにくる選手がたくさんいましたからね。知らないうちに6コースになってしまった感じがありました。6コースからでも勝てる足ではありましたけど、今思えばあのコース選択は失敗だったな、と思います。結局、未だにGIタイトルを獲れていないですし、あの優勝戦はしっかりとモノにしておかなければならないレースでした」

住之江
SG第12回グランプリシリーズ 優勝戦
(1997年12月23日・第10レース)
着順 枠番 選手名 支部 進入 ST タイム
1 4 小畑 実成 (岡山) 5 06 1.46.6
2 2 川崎 智幸 (岡山) 2 08 1.47.4
3 6 池上 裕次 (埼玉) 3 08 1.48.0
4 1 中道 善博 (徳島) 1 04  
5 5 黒明 良光 (岡山) 6 21  
6 3 濱野谷憲吾 (東京) 4 08  
▲2連単 4-2 6,020円(21番人気)
▲決まり手=抜き
児島
GIダイヤモンドカップ 優勝戦
(1994年2月2日・第12レース)
着順 枠番 選手名 支部 進入 ST
1 3 黒明 良光 (岡山) 1 01
2 2 淺香  登 (三重) 2 08
3 4 西田  靖 (東京) 5 10
4 5 林   貢 (岡山) 4 05
5 6 栗原孝一郎 (埼玉) 3 04
F 1 小畑 実成 (岡山) 6  
▲2連単 3-2 560円
▲決まり手=2周1Mツケマイ

岡山勢の活躍は大きな刺激。地元でGI初優勝を狙う

--児島・マスターズは出力低減モーターでのレースですね。

小畑 「児島は1月からヤマト331型(出力低減モーター)を使用しています。マスターズではモーター抽選が大きな鍵になると思います。2月に中国地区選を走ったときは、モーター性能の差をすごく感じました。良い部類のモーターを引ければ、シリーズを有利に運べるのは間違いありません。
 児島のイメージと言えば、モーターの回転の上がりが鈍いことでしょう。その分、スタートも難しくなってくるし、スタートの思い切りの良い選手がきっちり決めてきます。瀬戸内のレース場なので、干満の影響もあります。マスターズは終盤2日間が大潮で、優勝戦は干潮時間帯です」

--地元・児島のマスターズへ向けての抱負をお願いします。

小畑 「児島は地元なので、優勝したい気持ちは強いです。地元で開催される、最初で最後のマスターズ出場だと思って行きます。今年の流れはあまり良いとは言えませんが、2月の芦屋・W優勝戦で優勝できましたし、せっかくこういった舞台を用意していただいたので結果にこだわりたいですね。
 もちろん、岡山支部の選手が頑張っていることも刺激になっています。昨年は川崎智幸君が児島周年を獲ったし、吉田拡郎と茅原悠紀がSGを獲りました。山本寛久もGIで優勝しましたし、自分もまだまだ頑張らないといけないと思います。
 それと、師匠の黒明良光さんに良いところを見せたいです。当日も児島の実況席で解説されていると思います。最近はあまり良いレースをお見せできていないので、マスターズでGI初優勝して、黒明さんに喜んで欲しいですね」

小畑 実成 選手 データ室
(2015年3月8日現在)

◆通算成績

出走回数 優出 優勝 2連率 3連率
通算 7,376回 265回 35回 46.5% 64.1%
SG 224回 5回 1回 34.8% 47.3%
GI 1,580回 13回 0回 32.6% 49.4%
◆全国成績(最近3節)
15年 3月 福岡 一般競走 4 1 1 5 F 6 5
15年 2月 下関 タイトル 5 4 2 2 3 6 5 5 1 3
15年 2月 児島 GI・地区選 6 6 6 2 4 4 2 3 2
◆児島成績(最近2節)
15年 2月 GI・地区選 6 6 6 2 4 4 2 3 2
15年 1月 タイトル 3 4 2 2 2 3 6 1 6 2 6

小畑実成とともに
GIマスターズチャンピオン 歴代優勝者
開催年 開催場 優勝者
第1回 2000年 住之江 高山 秀則
第2回 2001年 住之江 野中 和夫
第3回 2002年 住之江 高山 秀則
第4回 2003年 尼崎 新井 敏司
第5回 2004年 住之江 大森 健二
第6回 2005年 戸田 水野  要
第7回 2006年 尼崎 万谷  章
第8回 2007年 大村 大嶋 一也
開催年 開催場 優勝者
第9回 2008年 宮島 田中 伸二
第10回 2009年 鳴門 山崎  毅
第11回 2010年 徳山 西島 義則
第12回 2011年 常滑 今村  豊
第13回 2012年 下関 井川 正人
第14回 2013年 びわこ 江口 晃生
第15回 2014年 唐津 金子 良昭

8戦完全優勝で実力の違いを見せつけた初代名人・高山秀則

万谷章は第7回大会でGI初優勝、GI最年長優勝記録を塗り替えた

江口、西島ら主力陣がFで脱落するなか、第15回大会を制した金子良昭