現役の時に鳴門のSG開催があれば…
私を育ててくれたボートレース鳴門で、またSGが開催されますね。全国のボートレースファンが鳴門に注目してくれるということで喜ばしい限りです。2017年のグラチャン以来、3年ぶりとのことですが、私が辞めてから3度もSGが開催されるとは実に羨ましい(笑)。私が現役の時にぜひとも開催して欲しかった、というのが本音です。
私は鳴門周年で6回優勝しましたが、本当に地元水面では自信を持ってレースをしていました。スタート練習をしなくてもスタートを決められましたからね(笑)。それだけ鳴門の特徴をわかっていたし、相性は抜群でした。それに『最低でも優勝戦には乗らなければいけない』という気概でやっていたというのもあります。やっぱり地元のファンの方に無様な姿を見せられないですからね。
それだけに、もしも鳴門でのSG競走に出ていれば…となります。特に1992年に住之江オールスターと蒲郡グラチャンでSG連続優勝をした40代前半の頃の勢いがあったら、“地元SG優勝”も実現できたかもしれないですね。
優勝候補筆頭は鳴門SG連覇中の石野
数少ない鳴門でのSGで唯一、現役レーサーで優勝経験があるのが石野貴之(大阪)です。16年オーシャンカップと17年グラチャンで鳴門SG連続Vという偉業を達成しています。もしも私が石野と相対していれば…。なんて想起させるくらい、石野の強大ぶりが目につきました。特に17年のグラチャンは、そこまでエンジンが出ていなかったのにも関わらず、見事に優勝。その下地には、やはり前年に鳴門でSG優勝している自信やアドバンテージがあったことと思います。
そこから言えることは、鳴門で良い成績を残しているレーサーに分があるということ。鳴門の水面は合う、合わないというのが、はっきり出る傾向にあります。要は“鳴門巧者”が活躍するということで、もちろん石野がV候補筆頭格。
また、近年、鳴門周年で優勝経験のある菊地孝平(静岡)、桐生順平(埼玉)、毒島誠(群馬)に、今年度の覇者・岡崎恭裕(福岡)も好勝負を演じてくれそうです。
鳴門のエース・田村が“地元SG優勝”に挑む
16、17年と2年連続で鳴門SGが開催されましたが、歯がゆかったのが地元・徳島支部のレーサーが出場なしということでした。今大会で、やっと出場にこぎ着けたのは田村隆信(徳島)だけです。ちょっと寂しいですが(苦笑)。過去の実績からすれば、田村がこれまでの地元SGに出場できなかったのが不思議なくらいでしたが、その悔しさは一番、本人が感じていることでしょう。今大会で思い切り暴れてほしいですね。
田村も40代前半ということで、私が2度目のブレイクをした頃と同時期を迎えています。彼の実力なら、ちょっとしたきっかけで、またSGをポンポンと獲ることは可能。地元SGで優勝すれば大きなパワーを得ることは必至です。昨年、鳴門周年を優勝したので、今度は鳴門でのSG優勝に果敢にチャレンジして欲しいですね。
ダッシュ勢が攻めやすい水面
私が走っていた頃の鳴門はインが強かったですが、1マーク後方を拡張したことでダッシュ勢が攻めやすくなって波乱のシーンが増えました。これはリニューアル工事の前からの傾向です。リニューアル工事後は2マーク側の建物がなくなり、風の通り道になっています。全国でも屈指の難水面ということで、穴党のファンにとっては堪えられないシリーズになるかもしれませんね(笑)。