the INTERVIEW
「鳴門のSGを一番勝ちたいのは僕。全ての力を出し切ります」


たむら たかのぶ
1978年3月15日生まれ。徳島支部・85期。
1999年11月、鳴門でデビュー。デビュー戦で水神祭&準優出を果たす。2001年1月、蒲郡・タイトル戦でオール3連対で初優勝。03年1月、丸亀・新鋭王座決定戦でGI初優勝、04年7月の若松・オーシャンカップでSG初優勝を飾り、“4000番台の旗手”と呼ばれた。
「銀河系軍団」85期の1人で、同期には井口佳典、森高一真、湯川浩司、丸岡正典、田口節子らがいる。
出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
---|---|---|---|---|---|
全種別 | 4,694回 | 201回 | 58回 | 49.5% | 64.8% |
SG | 872回 | 20回 | 3回 | 38.7% | 53.1% |
GI | 1,750回 | 61回 | 14回 | 43.2% | 59.8% |
20年 | 6月 | 宮 島 | SG・グラチャン | 4 1 5 3 4 1 6 1 3 |
20年 | 6月 | 鳴 門 | GI・周年 | 1 3 1 5 2 6 6 1 6 |
20年 | 6月 | GI・周年 | 1 3 1 5 2 6 6 1 6 |
20年 | 4月 | タイトル(GW戦) | 1 1 1 4 1 2 4 5 1 4 |
(2020年6月28日現在)
SGオーシャンカップ 歴代優勝者
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第1回 | 1996年 | 住之江 | 野中 和夫 |
第2回 | 1997年 | 平和島 | 熊谷 直樹 |
第3回 | 1998年 | 三 国 | 松井 繁 |
第4回 | 1999年 | 若 松 | 田頭 実 |
第5回 | 2000年 | 宮 島 | 西島 義則 |
第6回 | 2001年 | 尼 崎 | 石田 政吾 |
第7回 | 2002年 | 若 松 | 植木 通彦 |
第8回 | 2003年 | 蒲 郡 | 辻 栄蔵 |
第9回 | 2004年 | 若 松 | 田村 隆信 |
第10回 | 2005年 | 桐 生 | 江口 晃生 |
第11回 | 2006年 | 若 松 | 松井 繁 |
第12回 | 2007年 | 桐 生 | 魚谷 智之 |
第13回 | 2008年 | 蒲 郡 | 松井 繁 |
第14回 | 2009年 | 若 松 | 菊地 孝平 |
回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
第15回 | 2010年 | 丸 亀 | 石野 貴之 |
第16回 | 2011年 | 蒲 郡 | 佐々木康幸 |
第17回 | 2012年 | 尼 崎 | 井口 佳典 |
第18回 | 2013年 | 若 松 | 松井 繁 |
第19回 | 2014年 | 丸 亀 | 吉田 拡郎 |
第20回 | 2015年 | 三 国 | 石野 貴之 |
第21回 | 2016年 | 鳴 門 | 石野 貴之 |
第22回 | 2017年 | 丸 亀 | 峰 竜太 |
第23回 | 2018年 | 若 松 | 毒島 誠 |
第24回 | 2019年 | 常 滑 | 瓜生 正義 |
第25回大会鳴門 優勝戦 2020年7月26日(日)第12レース |
3度目の正直でつかんだ地元・鳴門SG出場切符
― ついに鳴門のSG出場です!
田村 2016年のオーシャンカップは、得点が届かなくて出場できませんでした。14年のグランプリでフライングをして出走回数が足りず、選考期間の半分はA2級だったことが響きましたね。17年のグラチャンはほぼ当確だったんですが、16年のGPシリーズ準優でフライングをして選出除外になりました。
「もう、鳴門のSGに出ることはないかも・・・」と半分諦めていた時に決まったのが、今回のオーシャンカップ開催です。6月の住之江周年で既に優出していたので、「権利はある」と。あとはGI・GIIで最終日までしっかり走って参加点(1点)を足していけば、必ず出場できると思いました。
徳島の選手を1人でも多く? そんな余裕はありませんでしたね。自分のことで精一杯(苦笑)。「今度こそ出なければ」って。ただし、フライングは絶対ダメですからね。ゼロ台のスタートは控えていました。
― 確かに、昨年の蒲郡周年は5番手、BBCトーナメントでは3番手スタートで優勝しています。
田村 16年のGPシリーズ準優でフライングを切ったじゃないですか。5号艇だったので5コースを想定していたんですが、本番はカドの4コースになったんです。「カドなら自力で攻めていかないと」と気持ちが先走って、フライングになってしまいました。
そのことがあったので、出場が決まるまで気を引き締めていました。
― そんな中で昨年、待望の地元・GI大渦大賞初優勝を飾りました。準優勝戦も優勝戦もトップスタートです。
田村 デビュー当時の目標は“大渦大賞で優勝すること”でした。鳴門でSGを開催するのは厳しいだろうと思っていましたから。だから、「優勝戦で事故はできない」とプレッシャーでしたよ。レース中も肩に力が入っていましたし(苦笑)。
― 準優も優勝戦もトップスタートで、気迫が伝わってきました。
田村 表彰式では、多くのファンの方から「良かったね」と声を掛けてもらいました。「おめでとう」よりも多かった。皆、僕と同じ気持ちだったと思います。大渦大賞を獲ることができて、本当に良かったと思いました。
その後も、蒲郡周年と平和島のBBCトーナメントで優勝して、良い結果が残せた1年でした。
(2019年10月5日・第12レース)
▲2連単 1-2 350円(2番人気)
▲3連単 1-2-5 2,170円(8番人気)
▲決まり手=逃げ
2019年、地元GI大渦大賞初優勝で勢いづき、
PGIボートレースバトルチャンピオン初代覇者に
開催までの全てはオーシャンカップのために
― 現行モーターはGW戦と6月の大渦大賞(67周年)を走っています。
田村 GW戦では、思い浮かんだ全てのプロペラ調整を試しました。試運転をしたり、実際にレースで試したりして、「ここを叩くとこうなる」と、ある程度の手応えはつかめました。
大渦大賞の時は、エンジン本体の調整を試しました。元々、よほど良いエンジンでなければ、オーシャンカップを見据えて交換してみようと決めていましたから。
まず、1走目のドリーム戦の前にセット交換(ピストン・ピストンリング・シリンダーケース)をしました。2日目にはギヤケースとキャリアボデーも換えて、部品交換の効果を確かめることができました。
こうやって、事前にいろいろ試せるのが、地元のアドバンテージですね。
― オーシャンカップは初日ドリーム戦からのスタートです。
田村 選考順位だと2号艇になりそうです。初日はドリーム戦1走なので、それまでの時間を有効に使いたいですね。
SGを勝ちたいから“落ち着いて”臨む
― 地元のSGで気合が入りますね。
田村 勝したい気持ちは強いですが、SGでは“落ち着き”が必要です。これまで多くの失敗や経験をしてきて、どんな時も落ち着いてレースに取り組むことが一番重要だと気づきました。フライングで2回の地元SG出場をダメにしたのも、落ち着いてレースができなかったからです。
今回はファンの方々、関係者の方々の期待に応えるためにも、最終日のレースが終わるまで、落ち着いて、気を引き締めて走ります。
― オーシャンカップも無観客での開催が決まりましたが・・・。
田村 やはり、スタンドに誰もいないのは寂しいです。SGといえば、お祭りみたいなものなのに。それに、鳴門なら僕を応援してくれる人が間違いなく多いじゃないですか。仕事に集中できるのは良いことなのですが、寂しいです。
それでも、テレビやSNSの実況映像の向こうでたくさんの方々が応援してくれていることを励みに、頑張ります。
― 地元SGへの意気込みをお願いします!
田村 今回のオーシャンカップは、結果を出すことが使命だと思っています。次はいつ鳴門でSG開催があるかわかりませんし、年齢的にも最後の地元SGになるかもしれない。鳴門のSGを誰よりも勝ちたいのは僕なので、優勝を目指します。
あと、優勝したら「ウズホール」で、ファンの方たちと一緒に祝勝会をしたいです(笑)。
2004年の若松・オーシャンカップがSG初優勝。
今度は“地元SG初制覇”へ全力で挑む