総展望

BOATRACE ALL STARS総展望 大中 耕司 ●『スポーツニッポン』

人気者から? やっぱり実力? 尼崎実績を重視?
尼崎・オールスターは、狙いかたもいろいろ。

地力がなければ尼崎の勝者にはなれない

人気者に実力者。水上のスターはいろいろ――。今回のキャッチコピーには、おそらく「勝者は人気者か、実力者か」の意味合いも含まれているはず。これこそが、オールスターの醍醐味だ。果たして45回大会の頂点に立つのは誰だろうか。

今回の舞台である尼崎は、全国24場の中でもとりわけモーターやプロペラの調整が難しく、尼崎巧者が幅を利かせる傾向にある。そう、松井繁(大阪)を筆頭に井口佳典(三重)、桐生順平(埼玉)といった、SGウイナーの面々が活躍しているのだ。要は「人気と実力を兼ね備えたスーパースター」であるほど、今回のオールスターの頂点に立てる確率が高いということ。まして、現行モーターは4月13日に新しくなったばかりでパワー相場は混沌としている。なおさら地力の違いが如実に出ることだろう。

人気、実力、当地実績上位の王者・松井

「人気と実力を兼備したスーパースター」と言えば、やはり当地SG2回、GIを7回制している松井だ。超ドル箱水面を味方に、今回は主役を務める。3月の浜名湖クラシックを豪快なツケマイで優勝した井口は、当地2012年のオーシャンカップを制しており、SG連覇の可能性も十分。グランプリ覇者の仲間入りを果たした高速ターンの申し子・桐生も、大得意の水面で15年クラシック以来となる当地SG優勝にチャレンジする。

峰竜太(佐賀)は当地前回の16年10月一般戦で優勝、昨年7月の丸亀オーシャンCで念願のSGウイナーになった。今回は2年連続ファン投票の得票数第1位となって尼崎に見参、さらに強力化したところを見せつけるか。

魚谷&吉川が“地元”のSG制覇へ気合

実力者の中からは、地元水面を知り尽くした「尼崎センプル軍団」の魚谷智之(兵庫)と吉川元浩(兵庫)を推す。両者とも地元の調整はお任せで、悲願の“地元”SG優勝へと突き進む。

16年の当地オールスターを制した平本真之(愛知)はポンポンとリズムに乗れば勢いづくタイプ。2月の常滑・東海地区選優勝戦Fのペナルティでしばらくは一般戦回りになるだけに、SGでひと稼ぎしておきたいところだ。

昨年の最優秀新人に選ばれた若手一番の成長株・羽野直也(福岡)をはじめ、女子の遠藤エミ(滋賀)、長嶋万記(静岡)ら人気者たちが、どこまで“ジャイアント・キリング”を決めてくれるかにも注目が集まりそうだ。