総展望
最優秀新人羽野がヤングの頂点へ!
2014年に新設されたヤングダービーは今年で5回目を迎える。男女問わず若手の登竜門として、ファンの認知度もすっかり高くなった。ちなみに、昭和生まれの選手は「平成」最後の今大会で卒業、次回からは元号もかわって平成世代による大会となる。時代の流れを感じずにはいられない。
優勝争いは羽野直也(福岡)を中心に展開されるとみる。昨年10月の大村周年で優勝を飾り、平成生まれ初のGIウイナーとなった。その後の活躍は周知のとおり。SG初出場の住之江GPシリーズは予選落ちに終わったが、今年に入ってからは当地クラシック、尼崎オールスター、若松オーシャンC、丸亀メモリアルに出場、トップクラスと対等に戦える力を身につけた。一枚上のコーナーテクニックで、ヤングの頂点へと駆け上がる。
SGで鍛えた技で勝負! 仲谷&木下
羽野と同支部の仲谷颯仁(福岡)が対抗の一番手。2月若松地区選でGI初優勝を果たし、1期上の羽野に負けじと奮闘を見せる。グレードに関係なく、目の前のレースに全力投球する姿は師匠の川上剛とよく似ており、柔と剛を兼ね備えたハンドルで渡り合う。
木下翔太(大阪)も負けていない。GIタイトルこそないが、SG初出場は羽野、仲谷と同じ17年GPシリーズ。若松オーシャンCではドリーム戦に出場するなど、総合的な実績では一番の存在と言って良い。F持ちでの参戦でも、ポテンシャルの高さは言わずもがなだ。
活躍必至! 東海地区のリーダー磯部
地元静岡勢が不出場なのは残念だが、東海地区では磯部誠(愛知)に期待する。2月常滑地区選は予選3位通過も準優で5着敗退。これで闘志に火がついた。丸亀周年でGI初優出、8月丸亀メモリアルでSG初出場だ。大舞台で経験を積んで、上位3者と互角以上の勝負へ持ち込む。
大上卓人(広島)と村松修二(広島)の広島勢にも注目だ。ともに当地では優勝経験もある。特に7月ルーキーシリーズで優勝した村松は、今大会を意識した調整を施して結果を出したことが大きな自信になった。女子では小野生奈(福岡)に竹井奈美(福岡)、中村桃佳(香川)が優勝戦線を盛り上げる。
ダークホースは“不屈の男”西野!
最後に特注選手を挙げよう。西野雄貴(徳島)だ。昨年2月、多摩川優勝戦で外傷性左橈骨神経麻痺の重傷を負った。選手生命も危ぶまれたが、懸命のリハビリで昨年9月に復帰。復帰後はブランクを感じさせない走りで、今期A1級ペースと快調に飛ばす。初のGIでも気負いは全くない。いきなりの大仕事も夢物語ではないだろう。
