プレイバック
ダービーの選考期間は前年の8月1日から7月31日までで、8月に入ってから発表される。選出52位には7.25をマークした魚谷智之、予備1位に7.24で地元の仲口博崇がいた。残る出場枠は「直前SG優勝者」のみ。若松メモリアル優勝条件の選手は20名。メモリアルに出ない仲口は結果を待つしかなかった。
8月31日、地元ダービーの切符が仲口に転がり込んだ。既に出場を決めていた白井英治がメモリアルで優勝したのだ。ツキがあった。
そのツキは、モーター抽選でも消えなかった。仲口が手にしたモーターは「怪物」と言われた1号機。レーサーも快速、モーターも快速では誰も追いつけない。予選トップ通過で準優1着、優勝戦の1号艇を手にした。
優勝戦では茅原悠紀の猛進を振り切り、地元で嬉しいSG初優勝。田中信一郎、太田和美ら「花の69期」5人目のSG覇者に輝いた。
地元のファンと師匠・大嶋一也の前で見事SG初制覇
優勝戦結果
| 着順 | 枠番 | 選手名 | 進入 | ST | タイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 仲口 博崇 | 1 | 14 | 1.46.6 |
| 2 | 2 | 茅原 悠紀 | 3 | 16 | 1.46.7 |
| 3 | 3 | 菊地 孝平 | 4 | 18 | 1.49.8 |
| 4 | 5 | 井口 佳典 | 5 | 16 | |
| 5 | 6 | 平尾 崇典 | 6 | 21 | |
| 6 | 4 | 池田 浩二 | 2 | 16 |
▲3連単 1-2-3 1,280円(1番人気)
▲決まり手=逃げ
「名勝負」と呼ばれるレースがいくつもあるが、そのほとんどがミスの連発で決着が先送りされたものが多い。名勝負として名高い、植木通彦と中道善博のグランプリ優勝戦も、本人たちは「ミスの連発だった」と振り返る。SGという大舞台は、通常とは緊張の度合いが異なるのだろう。
2008年に丸亀で開催された大会だけは違う。丸岡正典と瓜生正義がノーミスでゴールまで競り合った。1周1マーク、インから先に回った丸岡と、差した瓜生の勝負に。2周目からは全速に切り替えた瓜生が、半艇身差で丸岡に追いすがる。丸岡が瓜生を引きつけ て小回りをすれば、瓜生が全速で攻める。
息を呑む攻防は、両者ノーミスのまま最終ターンまで続いた。これこそ全能力を発揮してテクニックを競う、名勝負と呼べるものだった。
勝った丸岡も「僕も最後まで全く分からなかった」と振り返る激戦
優勝戦結果
| 着順 | 枠番 | 選手名 | 進入 | ST | タイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 丸岡 正典 | 1 | 14 | 1.45.5 |
| 2 | 3 | 瓜生 正義 | 4 | 15 | 1.45.7 |
| 3 | 4 | 石田 政吾 | 5 | 16 | 1.49.4 |
| 4 | 6 | 木村 光宏 | 2 | 17 | |
| 5 | 5 | 松本 勝也 | 6 | 15 | |
| 6 | 2 | 今垣光太郎 | 3 | 21 |
▲3連単 1-3-4 1,690円(3番人気)
▲決まり手=抜き
「全速ターンの申し子」と呼ばれ、今は「レジェンド」と呼ばれる今村豊。全速ターンを武器に世代交代を迫り、デビューから1年3ヵ月でGI初優勝、22歳11ヵ月でSG初優勝を飾った。
今村の記録は誰も破れないだろうと言われていた...。
今村のSG最年少記録を破る「天才」が現れた。静岡の服部幸男である。
父は元ボートレーサーの服部正彦。高校を中退して選手になった服部は、デビュー2年目でSGに出場するようになった。「水の上では先輩も後輩もない」というCMも、服部でなければ無理だっただろう。
大記録の舞台は平和島・第39回大会。4号艇でSG初優出を果たした服部は、6コースからトップスタートを決め、捲り差しで抜け出した。21歳9ヵ月のSG優勝だった。
この5年後、同じく6コースからの捲り差しでグランプリ優勝
優勝戦結果
| 着順 | 枠番 | 選手名 | 進入 | ST | タイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | 服部 幸男 | 6 | 17 | 1.48.3 |
| 2 | 6 | 吉田 稔 | 4 | 27 | 1.49.7 |
| 3 | 2 | 占部 彰二 | 5 | 20 | 1.50.2 |
| 4 | 3 | 松田 雅文 | 2 | 40 | |
| 5 | 5 | 万谷 章 | 3 | 46 | |
| 6 | 1 | 福永 達夫 | 1 | 36 |
▲決まり手=捲り差し