超舟券術

SGを戦い抜いたツワモノ中のツワモノであることを証明する!
「超」舟券術 松長彰の極私的GRAND CHAMPIONSHIP総展望

前人未踏の3連覇に挑む太田に立ちはだかる地元勢。
水面実績より濱野谷、田村らの大胆な走りに期待だ!

"同一SG3連覇"に挑戦する太田

今年のグランドチャンピオン(以下、グラチャン)で前人未踏の偉業に挑む選手がいる。"同一SG3連覇"に挑戦する太田和美(大阪)だ。2連覇はあるが3連覇は未だ誰も達成していない。第4回大会から21年連続出場と、誰よりも桁違いに多くグラチャンを走っている太田こそ、その偉業に挑戦するのに最もふさわしい選手と言える。

しかし、太田の前には「SGやGIはパワー次第」という過酷な現実がある。パワーは自力でつけるものではなく抽選で引き当てるもの、要は運次第だというのだ。では太田のグラチャン2連覇は運が良かったから果たせたのかといえば、それは違う。昨年大会の太田は「ここから勝負」とばかりに3日目から予選ラスト3走をいずれも0台スタートで行き、4日目から準優、優勝戦と4走連続トップスタートで栄光をつかんだ。「新制度になってスタートを行くようになった」とは本人の言葉。パワーが運まかせというなら自前で準備できるスタート力を極めようということだが、これをすぐさま実践できたのは腕と度胸があってこそ。トップレベルを維持する太田の、強さの秘密はここにある。

レース写真

当地オールスター覇者・岡崎に妙味

今年のグラチャンは浜名湖だ。地元からは静岡支部を代表する服部幸男(静岡)、菊地孝平(静岡)、徳増秀樹(静岡)が出場する。この3人に共通するのは"大胆な攻めとそれを支える非凡なスタート力"である。遠征組で浜名湖実績を残すのは、当地SG優勝2 回の今村豊(山口)をはじめ、松井繁(大阪)、山崎智也(群馬)、辻栄蔵(広島)、井口佳典(三重)あたり。ただ思うのは、SGクラスで特に浜名湖が苦手だという選手はいないのではないか。「水面が広い」ことが攻めづらい理由にはならないし、「風が吹くと乗りづらい」のはどのレース場も同じ。相性の良さはともかく、悪いからと切り捨てるのは危険だ。

水面実績より大胆さを求めるなら濱野谷憲吾(東京)や田村隆信(徳島)、そして平成のグラチャン男・湯川浩司(大阪)だが、この3人には「スタートのポカ」という共通の割引き材料がある。大胆さの代名詞でもある峰竜太(佐賀)や、やはり割引き材料が見つからない池田浩二(愛知)や瓜生正義(福岡)は、人気者だけに舟券の妙味は薄い。それなら、かつてクラシックで優勝し損なった屈辱を当地オールスターで素早く晴らした岡崎恭裕(福岡)に、思い出の地でここ数年分のウップンを一気に晴らしてもらおう。