舟券の組み立て方
グラチャンも、主役はやっぱり峰竜太
選出基準がSG成績によるため、SG初出場選手が存在しない。賞金は他のSGと大差はないが、“SG一見さんお断り”とでも言うべき、SGの中でも敷居高き一戦であるグランドチャンピオン。
出場選手のレベルは当然高いが、注目度ナンバーワンとなれば、やはり峰竜太(佐賀)をおいて他にない。昨年のグランプリ優勝で名実ともに艇界の頂点に立ち、19年後期適用勝率では5度目の1位に輝いた。当地実績面でも昨年の64周年優勝が光る。「何でも全部No.1になりたい」グラチャンキングの称号は、峰が描いていくグランドストーリーに、ぜひとも必要なワンピースでもある。
この峰に、64周年で惜敗したのが白井英治(山口)。当地周年は63回大会から2年連続の準優勝と悔しい思いもしている。3度目の正直を胸に秘めての熱戦に注目。
「芦屋と似ている」福岡勢が好成績
当地周年実績で触れれば、過去11節で優勝者を6名も出している福岡勢にも目が行く。「地元の芦屋と水面のイメージが似ているから走りやすい」との声も多い。岡崎恭裕(福岡)に、羽野直也(福岡)&仲谷颯仁(福岡)の盟友コンビからも目が離せない。
近況の勢いでは池田浩二(愛知)も面白いか。当地は4年ぶりの参戦だが、前回の当地SG、09年クラシックの優勝者として名を残している。近況は常滑周年を年度またぎで連覇する離れ業を達成するなど好調。旋回、スタートとも良い頃の鋭さが戻っている。
関東新二枚看板・毒島&桐生が迎撃
迎撃態勢を取る関東勢では、新二枚看板の毒島誠(群馬)&桐生順平(埼玉)が筆頭格。純地元・東京支部の長田頼宗(東京)、中野次郎(東京)も強き戦意で上位勢に挑む。
SGグランドチャンピオン 歴代優勝者
| 回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1991年 | 住之江 | 西田 靖 |
| 第2回 | 1992年 | 蒲 郡 | 中道 善博 |
| 第3回 | 1993年 | 住之江 | 安岐 真人 |
| 第4回 | 1994年 | 住之江 | 三角 哲男 |
| 第5回 | 1995年 | 桐 生 | 野中 和夫 |
| 第6回 | 1996年 | 多摩川 | 高山 秀則 |
| 第7回 | 1997年 | 尼 崎 | 市川 哲也 |
| 第8回 | 1998年 | 宮 島 | 上瀧 和則 |
| 第9回 | 1999年 | 唐 津 | 大嶋 一也 |
| 第10回 | 2000年 | 下 関 | 西島 義則 |
| 第11回 | 2001年 | 唐 津 | 植木 通彦 |
| 第12回 | 2002年 | 宮 島 | 今垣光太郎 |
| 第13回 | 2003年 | 丸 亀 | 池田 浩二 |
| 第14回 | 2004年 | 浜名湖 | 原田 幸哉 |
| 第15回 | 2005年 | 下 関 | 山本 浩次 |
| 第16回 | 2006年 | 浜名湖 | 坪井 康晴 |
| 回 | 開催年 | 開催場 | 優勝者 |
|---|---|---|---|
| 第17回 | 2007年 | 戸 田 | 湯川 浩司 |
| 第18回 | 2008年 | 芦 屋 | 湯川 浩司 |
| 第19回 | 2009年 | 戸 田 | 今垣光太郎 |
| 第20回 | 2010年 | 大 村 | 湯川 浩司 |
| 第21回 | 2011年 | 児 島 | 瓜生 正義 |
| 第22回 | 2012年 | 芦 屋 | 太田 和美 |
| 第23回 | 2013年 | 常 滑 | 太田 和美 |
| 第24回 | 2014年 | 浜名湖 | 菊地 孝平 |
| 第25回 | 2015年 | 宮 島 | 山崎 智也 |
| 第26回 | 2016年 | 蒲 郡 | 山崎 智也 |
| 第27回 | 2017年 | 鳴 門 | 石野 貴之 |
| 第28回 | 2018年 | 徳 山 | 白井 英治 |
| 第29回大会多摩川 優勝戦2019年6月23日(日)第12レース |
|||
| 種別\着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 優勝戦 | 33,000 | 12,000 | 8,500 | 7,000 | 6,500 | 6,000 |
| 特別選抜A戦 | 3,000 | 2,000 | 1,500 | 1,200 | 1,000 | 850 |
| 特別選抜B戦 | 2,100 | 1,500 | 1,100 | 800 | 700 | 600 |
| 静波まつり選抜戦 | 550 | 410 | 300 | 255 | 220 | 195 |
| 準優勝戦 | 550 | 410 | 300 | 255 | 220 | 195 |
| ドリーム戦 | 550 | 410 | 300 | 255 | 220 | 195 |
| 予選・一般戦 | 210 | 170 | 130 | 110 | 100 | 90 |
| ●優勝戦1着賞金には、日本財団会長賞の副賞金500万円を含む。 | ||||||
令和になっても「日本一の静水面」は変わらず
対岸の防風林が南寄りの風を止め、東西方向に建てられたスタンドが北風を防いでいる。昭和の時代から「日本一の静水面」がキャッチフレーズである。
レース場は砂利採取所の跡地を利用している。水底は凸凹が激しく、水深は浅い所で2m、深い所は7mもある。自前で地下水を汲み上げ、1マーク側から24時間入れているが、水量調整のため2マーク側に排水施設がある。
関東で最も広い多摩川水面はスタートにご用心
1マークブイから対岸までが108mと、関東5場で一番広い水面である。「全能力が発揮できる水面」と評する選手もいる。ターンスピードが生きれば、小技も利く。
昔は「センターが伸びる魔法の水面」と言われたが、現在は選手間で「スタートが早い」と用心されている。ホームの水深は2mと浅い。1マーク付近は2m、2マーク付近が6~7m、バックは4~5mで、水深の浅いホームは進み方が違ってくるからなのか。
ホーム追い風は差し、向かい風は捲りが増えるが…
季節は6月下旬、風向きは南系統が一般的だが「風が回っている。スタート展示と本番で逆になった」と言う声をよく聞く。昨年6月下旬の風向きを見ると、北→北西→北東→東→南東→南と動けば、南西→南→南東→東→北東の日もある。
東系統のホーム追い風は逃げ、差し、捲り差しが有効、西系統の向かい風は捲りが増える傾向だが、4年くらい前に比べるとイン1着率は10%以上高くなっている。一般戦は意外と2コースの強ツケマイが決まるのだが、スタートが揃うSGレースになれば、イン有利に拍車が掛かっても不思議ではない。