超舟券術
平和島は最近の時流に合った“モーターが命”のレース場だ。インが弱いことでも有名だが、それもやはりモーターの優劣の差に起因している。あとは、舞い踊る風だ。ここ10年間の当地SG優勝者延べ10人のうち、地元東京支部は2人いるが、関東地区に広げてもその数は増えない。つまり、平和島に地元有利はなく、あるのは「勝ちたい気持ち<水面熟知<モーター優位」の図式だ。
そうであれば“流れ”を重視するしかない。今年のSG覇者は、桐生順平(埼玉)に始まり、石野貴之(大阪)の2連勝、そして峰竜太(佐賀)と寺田祥(山口)と目下2連続で初のSG覇者が誕生している。直近の流れは“初優勝”だが、この待ちに待った優勝の峰とあっと驚く優勝の寺田、実は驚くほど酷似する点がある。どちらも直前に地元戦を圧勝していて、それはまあオマケとしても、それ以前からとにかく優勝しまくっていた。
しかし、そんな勢いある選手も今年は寺田で打ち止めムード。石渡鉄兵(東京)ら地元勢も有利性は薄い。直近10年で平和島SGを2度制している池田浩二(愛知)は別人のようにおとなしく、その池田と双璧の水面実績を持つ瓜生正義(福岡)は優勝を狙うどころではない状況だ。
追いかけるなら、当地実績も優秀で“勝者の流れ”にも乗っている田中信一郎(大阪)、白井英治(山口)、井口佳典(三重)。ただ、水面実績がアテにならないのなら、極私的には(出場中ただ1人)平和島で優出すらない、弱冠20歳で1節走ったきりの篠崎仁志(福岡)を狙ってみたい。当たり前だが、当時とは別人の強さだ。