風の3パターン
平和島攻略のカギとなる
風の3パターン
長船 敏和●『ファイティングボート・ガイド』
風がレースの流れを決める、デリケートな平和島水面。
クイーンズクライマックス参戦前に、必ず天候の確認を!
気象条件次第でイン壊滅の可能性も
冬の平和島は、基本的にホーム向かい風が吹く。西高東低の冬型の気圧配置なら「冬晴れ」だ。この場合は気圧も高いので、向かい風が多少吹いてもインが極端に弱くなることはない。
厄介なのは、降雪をもたらすような南岸低気圧が接近したり、日本海側の低気圧が猛烈に発達したりするなどして、向かい風が強く、かつ気圧が下がったときだ。この場合はインが壊滅状態になるときが間々ある。
気象条件がレース傾向を左右するという点においては全国屈指の平和島。非常にデリケートな水面だけに、当日の天候チェックは欠かすことができない。
買い方が変わる気象条件3パターン
気象条件から舟券作戦を大別すると、以下の3つになる。なお、夏と違い強い追い風が吹くことは滅多にないので、そのケースは省略した。
(1)冬晴れで風自体が緩い
このケースでは、好枠勢を軸とした本命寄りの買い方になる。
(2)晴れて季節風、いわゆる向かい風が強め
カドの出番が増えるが、気圧が高い場合は内でもスタートを頑張れば持つ。ダッシュ勢の1着から内が2、3着に残すことが多いのがこのケースで、1号艇絡みのボックスでも、いわゆる「裏目千両」が期待できる。
(3)天候が崩れて向かい風が強い
内よりもダッシュ勢が有利。インが3連単から完全に飛ぶ場面が急増し、(2)で挙げたような裏目配当を期待するより、センターから外の選手だけを狙ったボックス買いが正解だ。
風が吹けばセンター、無風ならイン
11月28日から開催された「ほぼオール女子戦」は風の向き、強さとも日々変動した。初日と2日目は強い向かい風が吹いた。全24レースのうち、逃げが決まったのはわずか3回で、1号艇の2連対も4回のみ。初日はセンターの強さが目を引き、逃げが決まった第10レースを除いて全て3号艇か4号艇が連対した。2号艇の1着は1回もなかった。
ところが、3日目になると様相が一変。風が収まった途端に1号艇が盛り返し、3日目には12レース中9連対。4日目は追い風で、1号艇が7勝を挙げてイン主導のレースが展開された。
「ほぼオール女子戦」で、平和島における風の影響力を改めて確認できた。クイーンズクライマックスでの舟券の傾向を探るうえで、大変参考になるシリーズだった。