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夏の終わりには、いつも驚きの結末が待っている。魔術師にレッドアロー、ホワイトシャーク・・・2016年は?
「記録」よりも「記憶」!?SGボートレースメモリアル プレイバック
第41回大会[1995年・三国] 優勝者:2096中道善博

ボートレース甲子園、開幕!

かつてメモリアルの出場選手は開催レース場の希望で決まっていた。今の選出方法になり、「ボートレース甲子園」と呼ばれるようになったのは1995年の三国からだ。現在の推薦枠は2名だが、その頃は1名。本家の甲子園さながらの人気で、全国から三国に集まってきたお客さんで賑わった。指定席を確保するために徹夜組が出るほどだった。

優勝したのは「ターンの魔術師」中道善博だ。優勝戦には烏野賢太と濱村芳宏も乗ってきた。優勝戦前夜、同室の後輩に「これからは若い選手の時代やな」と語ったそうだが、水面に出ると闘争本能のスイッチが入った。

中道と言えば『2コースマジック』と呼ばれる差しが武器だが、なんと同期の黒明良光を2コースから捲って一気に先制したのだ。

優勝戦結果

(1995年8月29日・第12レース)
着順 枠番 選手名 支部 進入 ST
1 5 中道 善博 (徳島) 2 06
2 4 濱村 芳宏 (徳島) 5 25
3 1 黒明 良光 (岡山) 1 14
4 2 今村  豊 (山口) 3 12
5 3 烏野 賢太 (徳島) 4 11
6 6 三角 哲男 (東京) 6 26
▲2連単 5-4 6,290円(20番人気)
▲決まり手=捲り
第47回大会[2001年・多摩川]優勝者:3499市川哲也

SG完全優勝の偉業を達成!

市川哲也は2000年、平和島でグランプリを制した。充実期を迎えた市川は翌年、多摩川で開催されたメモリアルで7連勝完全優勝の偉業を達成した。SGの完全優勝は5人目である。

当時の優勝戦の枠番は事前の抽選によって決まっていた。抽選だから、予選得点率1位で準優1着でも優勝戦は3号艇、準優2着で6号艇になることも珍しくなかった。このとき、予選得点率1位で優出した市川の枠番は3号艇。抽選で3号艇を引いたのは、もちろん市川本人である。

しかし、「レッドアロー」の横断幕があるほどだから、市川にとって[3]は悪い枠番ではない。今村豊、植木通彦がスローを選択したことで、市川は5コースのカドに引いた。全速でスリットを通過した市川は、1マークも迷わず捲って出た。

優勝戦結果

(2001年9月2日・第12レース)
着順 枠番 選手名 支部 進入 ST
1 3 市川 哲也 (広島) 5 14
2 2 西島 義則 (広島) 2 15
3 4 仲口 博崇 (愛知) 6 18
4 5 今村  豊 (山口) 3 17
5 1 新美 恵一 (愛知) 1 13
6 6 植木 通彦 (福岡) 4 20
▲2連単 3-2 1,270円(6番人気)
▲3連単 3-2-4 7,000円(32番人気)
▲決まり手=ツケマイ
第58回大会[2012年・桐生]優勝者:3783瓜生正義

強い選手は何をしても強い!

2012年といえば、選手持ちプロペラ制度が廃止になった年である。新しいプロペラ制度に誰がいち早く対応するのか注目されていたが、この大会の優勝戦メンバーをみると「強い選手は制度が変わっても強い」のがわかる。地元のエース・山崎智也もきっちり優勝戦に乗ってきた。

そんな強豪のなかでも、このときの瓜生の強さは別格だった。初日からオール3連対で準優1号艇ゲット。準優もインからあっさり逃げて優勝戦も1号艇と、必勝パターンに持ち込んだ。

優勝戦は6コースから峰竜太がコンマ06のスタートを決めてきたものの瓜生が伸び返して先攻め、バックも鋭く伸びて独走態勢に持ち込んだ。ゴールをしたとき、2着の山崎を2秒も突き放していた。

優勝戦結果

(2012年8月26日・第12レース)
着順 枠番 選手名 支部 進入 ST
1 1 瓜生 正義 (福岡) 1 14
2 3 山崎 智也 (群馬) 3 18
3 5 峰  竜太 (佐賀) 6 06
4 2 池田 浩二 (愛知) 4 15
5 4 原田 幸哉 (愛知) 5 12
6 6 松井  繁 (大阪) 2 19
▲2連単 1-3 370円(1番人気)
▲3連単 1-3-5 1,380円(2番人気)
▲決まり手=逃げ
第60回大会[2014年・若松]優勝者:3897白井英治

コンマ00で悲願のSG初V!

SG優勝戦に乗ってもなぜか勝てない。そういう選手は少なくない。誰もが認める実力者なのに、勝利を手に入れることができない。「瀬戸の大魔神」こと香川の強豪・安岐真人さんは16回目の優出でSG初優勝。「無冠の帝王」と呼ばれた現・やまと学校教官の荘林幸輝さんはSGで19回も優出したが、優勝はできなかった。「ホワイトシャーク」白井もこれまでSGで13回優出していたが、なぜか優勝できないでいた。

しかし、60回大会の白井は、モーターの裏付けもあってレース運びに自信が溢れていた。優勝戦には地元山口の後輩・谷村一哉と寺田祥も乗っていたが、1号艇の谷村はSG初優出である。場数を踏んできた白井の方に、気持ちの余裕があった。スリットは驚異のコンマ00、あとは悲願のSG初優勝へ進むだけだった。

優勝戦結果

(2014年8月31日・第12レース)
着順 枠番 選手名 支部 進入 ST
1 2 白井 英治 (山口) 2 00
2 4 辻  栄蔵 (広島) 4 18
3 3 寺田  祥 (山口) 3 07
4 5 池田 浩二 (愛知) 5 13
5 6 三角 哲男 (東京) 6 13
6 1 谷村 一哉 (山口) 1 07
▲2連単 2-4 1,170円(6番人気)
▲3連単 2-4-3 4,410円(19番人気)
▲決まり手=捲り


SG ボートレースメモリアル[モーターボート記念] 歴代優勝者
開催年 開催場 優勝者
第1回 1955年 大 村 真島 勝義
(ランナ) 豊島  勝
第2回 1956年 鈴木 成彦
第3回 1957年 びわこ 貴田 宏一
第4回 1958年 芦 屋 前田 道積
(ランナ) 山岡 貫太
第5回 1959年 若 松 上原  茂
(ランナ) 松本  稔
第6回 1960年 平和島 井上一二郎
第7回 1961年 宮 島 松尾 泰宏
第8回 1962年 住之江 芹田 信吉
第9回 1963年 下 関 金藤一二三
(ランナ) 倉田 栄一
第10回 1964年 芦 屋 倉田 栄一
第11回 1965年 若 松 芹田 信吉
第12回 1966年 福 岡 金子 安雄
第13回 1967年 常 滑 竹内 淳麿
第14回 1968年 児 島 中止
第15回 1969年 丸 亀 岡本 義則
第16回 1970年 下 関 山田 豊志
第17回 1971年 桐 生 瀬戸 康孝
第18回 1972年 福 岡 彦坂 郁雄
第19回 1973年 下 関 瀬戸 康孝
第20回 1974年 丸 亀 野中 和夫
第21回 1975年 下 関 北原 友次
第22回 1976年 桐 生 渡辺 義則
第23回 1977年 浜名湖 加藤 峻二
第24回 1978年 唐 津 村上 一行
第25回 1979年 丸 亀 野中 和夫
第26回 1980年 常 滑 栗原孝一郎
第27回 1981年 平和島 高峰 孝三
第28回 1982年 蒲 郡 彦坂 郁雄
第29回 1983年 戸 田 望月 重信
第30回 1984年 若 松 北原 友次
開催年 開催場 優勝者
第31回 1985年 下 関 野中 和夫
第32回 1986年 芦 屋 倉重 宏明
第33回 1987年 丸 亀 国光 秀雄
第34回 1988年 浜名湖 松野  寛
第35回 1989年 福 岡 松田 雅文
第36回 1990年 丸 亀 平尾 修二
第37回 1991年 下 関 西田  靖
第38回 1992年 浜名湖 今村  豊
第39回 1993年 福 岡 原田 順一
第40回 1994年 児 島 関  忠志
第41回 1995年 三 国 中道 善博
第42回 1996年 蒲 郡 新良 一規
第43回 1997年 若 松 安岐 真人
第44回 1998年 多摩川 長岡 茂一
第45回 1999年 児 島 山本 浩次
第46回 2000年 若 松 西島 義則
第47回 2001年 多摩川 市川 哲也
第48回 2002年 蒲 郡 今垣光太郎
第49回 2003年 唐 津 田中信一郎
第50回 2004年 蒲 郡 今垣光太郎
第51回 2005年 若 松 菊地 孝平
第52回 2006年 桐 生 中村 有裕
第53回 2007年 蒲 郡 魚谷 智之
第54回 2008年 若 松 今垣光太郎
第55回 2009年 丸 亀 池田 浩二
第56回 2010年 蒲 郡 今村  豊
第57回 2011年 福 岡 瓜生 正義
第58回 2012年 桐 生 瓜生 正義
第59回 2013年 丸 亀 毒島  誠
第60回 2014年 若 松 白井 英治
第61回 2015年 蒲 郡 篠崎 元志
第62回大会 桐 生
優勝戦 2016年8月28日(日) 第12レース