投げ出さなかったから日本代表に…
結果を気にせず、できるまでやる!

計盛 光選手

PROFILE

計盛 光選手

アーティスティックスイミング日本代表→ボートレーサー養成所。
ボートレーサー養成所 第122期 大阪府堺市出身 大阪体育大学。
アーティスティックスイミング日本代表からボートレース界に転身した期待のヒロイン。
2017年4月ボートレーサー養成所 入所。

洗面器の水に顔をつけられなかった

洗面器の水に顔をつけられなかった

幼い頃は剣道をしていましたが、小学校3年生からアーティスティックスイミングを始めるようになりました。洗面器の水に顔をつけられないような子どもだったんです。それで、逆療法というんでしょうか、あえて水に触れるスイミングを親が勧めてくれました。
刑務官の父が「できるできないは関係ない。とにかく一生懸命やっていればいいんだよ」って、日頃から励ましてくれたことが大きかったと思います。できなかったことができるようになるのが楽しくて夢中になったというのが実情で、大会で勝とうとか目立とうという気持ちはありませんでした。目的はあっても目標は設定されていなかったから、自暴自棄になることもなくて、できないのならできるまでやり続けるだけでいいとだけ考えていたような次第…。そうしたら、小学校6年生の時に全国大会で優勝して、中学時代も全国1位になってました。

日本代表からボートレーサーへ転身

日本代表からボートレーサーへ転身

日本代表に、と言われたのは高校3年生の時です。代表10人の内、私が一番下でした。それに、身長160cmから170cmで揃ったメンバーに入ると、157cmの私はひときわ小柄。タイミングを合わせるだけならまだいいんですが、高さや演技の大きさをも連動していなくてはならないのがアーティスティックスイミングなんです。小さい身体を高く大きく見せるため人一倍がんばらないといけない状況でした。
その頃の指導者が強烈な指導で有名だった井村雅代先生です。何か怖い人というか、厳しい部分だけが独り歩きしていますが、とても優しい方です。

それから大阪体育大学に進むんですが、2年生になった頃から身長のことですごく悩むようになりました。いまさら身長を伸ばすのは無理ですし、どうしようもないことで悩んでも仕方ないと考え、2年生の時に競技を卒業したんです。そんな時、テレビで富樫麗加さんの特集を見て、惹き込まれてしまいました。

養成所に入る前から訓練が始まった

養成所に入る前から訓練が始まった

大学4年生の時、特別試験を利用して受験し合格できましたが、甘えてはいけないと思うようになりました。それまで、アーティスティックスイミングに熱中していたため、勉強が疎かになっていたのも事実。厳しい養成についていけるか、自信がありませんでした。特に勉強面は心配でした。それで、合格してから養成所に入るまでの期間、普通の学習塾に通いました。中学生や高校生に交じって勉強したんです。
中高生からみたら、不思議だし、おかしかったでしょうね、結構からかわれました。あとはジムで筋トレやマット運動をして鍛えました。

全員が修了できるわけではないから
緊張感にあふれている

全員が卒業できるわけではないから緊張感にあふれている

ボートレーサー養成所では、とにかく座学で苦労しました。予想通り。一般教養もなかなか思うような成績がとれませんでしたし、特に法規は覚束なくて…。苦労しました。
でも整備の勉強は好きでした。モーター整備って夢がありますよね。どう変化するか楽しみがあります。
生活全般についていえば、学生時代、団体生活しかしてこなかったので、その点では助かりました。団体行動のための規律や準備などは問題なくできたと思います。ただ、当初50人いたメンバーが徐々に減って最終的に26人になるんです。男子は42人が23人に、女子は8人が3人…。そこには緊張感がありました。一緒にやってきたメンバーが規定の関門をクリアできず帰っていくわけです。プロになるための養成所ですから当然ですが、厳しさを教えられました。
そうした体験を共有していくことで友情が深まるのも感じました。同期の平川香織さんは6歳年下なんですが、良きライバルであり仲のいい友人。こうした縁は大切にしたいです。
それから、やっぱり家族の支えですね。養成所では、スマートフォンや携帯電話は使用できません。連絡を取り合うことができないんですね。ですから、電話が許可される時は皆が公衆電話に殺到するんです。長い列ができます。決まりはひとり3分以内。あっという間ですが、とても落ち着く時間です。
それから外出日が楽しみでした。私は母と待ち合わせて会うことが多かったです。

自分の感情を入れるな、という教えが響いた

憧れのレーサーになって…

そして、教官から指導されたことで一番頭に残っているのは「自分の感情を入れるな!ファンの気持ち、ファンの目線で行動しなさい」という言葉です。調子がいいとか悪いとか、気が乗っているとか乗っていないとかは選手自身の問題。ファンの気持ちを自分の気持ちとして競技に臨む姿勢を叩き込まれました。

選手として目指すものは?

アーティスティックスイミング日本代表時代、身長で悩みましたが、小柄でよかったと思えるようになりました。
アウトから勝てる選手、外から握って回り勝率が取れる選手になりたいです。

ボートレーサーを志す皆さんへ

父の『がんばればいい。結果よりもがんばり』という教えが、これまでの私の競技生活を支えてきたと思います。『できる・できない』ではなく『やるか・やらないか』という観点で挑戦してみるのもいいと思います。がんばってください。