ごくごく普通だった自分を変えてくれた
ボートレース。
素直な気持ちで周囲から学び、
観察する目を養いたい。

前田 篤哉選手

PROFILE

前田 篤哉選手

高校卒業→ボートレーサー養成所。
ボートレーサー養成所 第120期 愛知県常滑市出身 愛知県立常滑高校卒業。
高校を卒業後、ガソリンスタンドでアルバイトをしながら挑戦し3回目で合格。
2016年4月ボートレーサー養成所 入所 デビュー1年半でA級昇格を果たした。

ごくごく普通の子どもでした

ごくごく普通の子どもでした

生まれ育った家は、愛知県常滑市のお寿司屋さんです。ごくごく普通の子どもだったと思います。ゲームもたくさんやりましたし、近くの海に泳ぎに行ったりスポーツをしたり…。ミニバスケットやテニス・バドミントンを経験しました。割と友だちが多い方だったと思います。自分で言うのも変ですが、どんな人とでも親しくなれるタイプだと思います。
父は、「寿司屋を継げ!」みたいなことを言ったことがなくって…。むしろ、ことあるごとに『お前はボートだ!』って言ってくれていました。本当にボートレーサーを目指したのは高校時代です。
同級生に、お父さんがレーサーだった吉田裕平君(117期)がいたんです。成果も責任も一人で背負えるボートレーサーが何か輝いて見えました。

規則正しい養成所の生活は衝撃でした

規則正しい養成所の生活は衝撃でした

118期から試験を受けました。1回目は2次試験まで、2回目の119期試験は3次まででした。その間、ガソリンスタンドでアルバイトをしていました。
120期生として入所して、規則正しい厳格な生活に正直衝撃を受けました。厳しいとは覚悟していたんですが、こんなにきっちりしているとは思いませんでした。カルチャーショックです。養成所では、すべてが5分前行動。いつも、次のことやその次のことを考えながら動いていかないと追いつかないですし、のんびりしていられません。起床するとすぐに点呼や体操が行なわれますが、その後も次々行動していく…。ほんとうに規則正しい生活なんです。
それに、団体行動…。自分ひとりだけのことを考えていたのでは全体の規律を守れないので、そうした視野の広さの大切さも学びました。慣れるのに2ケ月くらいかかりました。

アクシデントから始まった学びがあります

アクシデントから始まった学びがあります

養成所では、学業も疎かにできません。卒業までに、要所要所でクリアしないといけないポイントがあるからです。モーターの機構の勉強や整備技術も同じです。自分は、整備よりもやはり乗艇することが楽しかったです。
でも、実戦形式で競走するリーグ戦の第1戦の初戦で落水して足にケガをしてしまいました。肉離れでした。当然走れませんから、ギプスをはめて訓練の補助役を指示されました。つらかったです。その後もさんざんでした。第2戦はケガの影響で欠場。第3戦と第5戦ではフライングしてペナルティを課せられました。事故率は1.23だったと思います。実戦形式の練習が十分にできない中、正直焦りも感じました。

観察する・人に聞く・覚える

観察する・人に聞く・覚える

でも、できることはあるんです。同期の皆がどんどん上手くなっていくのを目の当たりにするのがもどかしかったですが、補助をしているからこそ見えるモノもあって、ほんとうに勉強になりました。それは、『観察』ですね。
この訓練生はこういうターンのクセがあるとか、接戦時にそうするから着を落とすとか…。補助しながら「そこじゃない!」なんて心の中でつぶやいていました。当然、成績のいい訓練生の特徴もよく見るようにしていました。観察していると、それもまた面白くて勉強になりました。
そういうことでいうと、自分のレースやクセも把握しておかなくてはなりません。しっかり記憶しておくことの大切さですね。養成所では、それを学びました。自分の走りやレースの展開をしっかり覚えておくことです。そうすることで、同じミスを繰り返さなくなる。記憶はそのために必要だと思います。

プロになって、さらに学びの機会が増えました

プロになって、さらに学びの機会が増えました

2017年5月の常滑でデビューしましたが、観察と研究は変わらすです。レース後は、とにかくリプレイをよく見ます。競技本部に行ってポーズをかけながら再生していただくこともあります。そして記憶する…。ミスをしないこと、ミスを逃さないことが着順を守ることにつながるという考えは変わりません。
また、師匠はいないんですが、人に素直に聞くようにしています。同県かどうかとか先輩後輩関係なく人の意見を伺って取り入れたいです、どうしたら1着・2着が取れるか、着を落とさないようにするにはどうしたらいいか、すごく考えますが、それでもレースは組み立てません。イメージができてしまうと、そうじゃない時に失敗しますから…。
それから、プロになってあらためて『責任』を感じるようになりました。だからオッズはしっかり見ます。人気になれば負けられないと奮い立ちますし、人気薄ならよしやってやろうと気持ちが入ります。人気・不人気どっちに転んでも自分のやる気とつながっています。

ボートレーサーを志す皆さんへ

学生時代、特別何かに秀でていたわけではありませんが、興味をもって志したら、その動機を大切にしてください。途中、困難や障害もあるかもしれませんが、とらえ方や考え方次第で結果が変わるという面もあります。がんばってください。